世田谷の緑道を走る17km、北沢川と烏山川をつなぐ周回コース

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世田谷区の北沢川緑道と烏山川緑道をつないだ周回コースは、全長約17kmで高低差がほとんどない、都内のランニングコースです。二つの緑道はかつて川だった場所で、三宿の合流点から北西へ約800mの間隔を保って平行に延び、八幡山周辺でつながっています。ゆっくり走った場合の所要時間は、1時間56分ほどが目安です。

走りやすい理由は単純です。川の跡なので道がほぼまっすぐで、坂がなく、夏でも日陰が多いからです。信号待ちが生じるのは、幹線道路などと交わる場所だけです。

この記事では、コースの形と距離、それぞれの緑道の見どころ、川が暗渠になった経緯、走る前に確認したいトイレや給水の事情を、2026年9月21日時点の情報でお伝えします。北沢川緑道には桜並木もあり、季節を変えて何度か走りたくなる道です。

目次

二つの緑道を八幡山周辺でつなぐと17kmの周回になる

北沢川緑道と烏山川緑道は、三宿2丁目が東の端で、ここが合流点であり分岐点でもあります。分岐点から先は、約800mほどの間隔を保ったまま、二本の道がそれぞれ北西へ平行に進みます。北沢川緑道の北西の端は赤堤3丁目あたり、烏山川緑道の北西の最後の看板は船橋5丁目のアパート付近にあります。この二つの端を、八幡山周辺まで延ばしてつないだ区間を含めた周回が、17kmのコースです。

行きは片方の緑道、帰りはもう片方の緑道を走る形になります。二本の道は並行しているので、往路と復路で沿道の景色が変わり、同じ道を折り返すよりも飽きにくいのが利点です。

三宿の合流点は目黒川のはじまりの場所

二つの川が出会う場所の説明は、情報源によって少しずつ違います。三宿2丁目、池尻大橋付近、池尻大橋駅の西方、三宿の東仲橋付近、池尻三丁目地先と、表現が分かれています。どれも、北沢川と烏山川が出会って目黒川になる同じあたりの説明です。目黒区の資料は、目黒川の上流端を、烏山川と北沢川が合流する世田谷区池尻三丁目地先としています。

つまり、17kmを走る間、東側の折り返し点は目黒川の始まりの地点にあたります。走っている道の先で二つの川が一本になり、目黒川として南東へ流れていくと考えると、地図の見え方が少し変わります。

出発地点は六つの駅から選べる

このコースは、鉄道の駅がコースのすぐ近くに六つあります。田園都市線は池尻大橋駅と三軒茶屋駅、小田急線は梅ヶ丘駅、豪徳寺駅、経堂駅、京王線は八幡山駅です。

路線コース至近の駅
東急田園都市線池尻大橋駅、三軒茶屋駅
小田急線梅ヶ丘駅、豪徳寺駅、経堂駅
京王線八幡山駅

この駅の多さは、走る側にはありがたい条件です。17kmを一気に走り切れなくても、途中で足が重くなれば近くの駅から電車で帰れます。逆に、体力に余裕のない日は、駅から近い区間だけを走って引き上げる選び方もできます。全長を走り通すことにこだわらなくていい、というのがこのコースの気楽なところです。

高低差は環七の歩道橋だけで、ゆっくり走って約1時間56分

このコースは、環七を越えるときに歩道橋へ上がる以外、アップダウンがありません。ほぼ完全に平坦な17kmで、のんびりした心拍数で走った場合の所要時間は1時間56分ほどとされています。

1時間56分は116分ですから、1kmあたりに直すと約6分49秒のペースです。のんびり走る速さと考えれば、初めて長い距離に挑む人にも現実的な数字でしょう。坂で脚を削られないぶん、同じ17kmでも、起伏のあるコースよりペースを乱さずに走れるのが、この道の強みです。

日陰が多く、夏でも走りやすい

このコースは、夏でも日陰が多く、涼しい環境で走れると紹介されています。北沢川緑道にはかん木や雑木類が植えられ、経堂駅付近から豪徳寺駅までにはユリノキの並木もあります。暑さの残る季節でも、緑道の木陰を選んで走れるのは、車道沿いにない利点です。

信号待ちは休憩の時間として使う

コースはほぼストレートで、幹線道路などと交差するところで信号待ちがあります。信号で止まるたびにペースが切れるのを嫌う人もいますが、17kmという長さを考えると、この待ち時間は給水や呼吸を整える時間に使えます。止まる場所が幹線道路との交差に限られているので、走りのリズムが細切れになることはありません。

GPXデータで道順を確認できる

17kmの周回は、Tarzan WebなどでGPXデータをダウンロードして、ルートを確認できます。世田谷区のほぼ中央にあって、電車でのアクセスもよいコースなので、初めて走る前にルートを地図アプリに入れておくと、迷う心配がありません。

北沢川緑道は延長約4.3kmで、レンガの舗道とユリノキが並ぶ

北沢川緑道は、赤堤から下流の代田、代沢、池尻までの延長約4.3kmの緑道です。かん木や雑木類が植えられていて、四季折々の花が咲く緑の遊歩道になっています。上流の赤堤3丁目から、下流の三宿2丁目までをつなぐ道のことです。

経堂駅付近から豪徳寺駅までの約500mはユリノキの並木道

小田急線の経堂駅付近から豪徳寺駅までの約500mには、レンガの舗道とユリノキの並木があります。春の新緑と秋の紅葉が美しい区間で、17kmのコースのなかでも、景色を味わいながら走りたい部分です。9月の今から秋にかけては、この区間の紅葉が待ち遠しい時期に入っていきます。

環七から淡島通りまでは桜約150本の名所

環状七号線から淡島通りまでの区間は、桜並木およそ150本が咲く、桜の名所です。毎年春には、まだ川だった昔から続いている桜まつりが行われ、多くの人でにぎわいます。

2026年は、3月27日に北沢川緑道の桜が満開になりました。桜まつりの具体的な開催日は、確認できていません。年によって日程が変わることもあるので、春に走る予定を立てるときは、世田谷区の公式ホームページや地域のイベント案内で最新の情報を見てからにしてください。

桜の時期の緑道は、花見の人で混み合います。17kmを通して走るなら、人の少ない時間帯を選ぶか、桜並木の区間だけは歩くなど、周りの人に気を配って走る必要があります。混雑する季節に速いペースで走ると、自分も周りも危ない目に遭います。

代沢せせらぎ公園で川の流れが復活している

環状七号線から目黒川緑道の合流点までの区間では、平成6年度から、住民が参加してせせらぎを復活させる整備が進められてきました。代沢せせらぎ公園は、その代表的な場所です。下水道の整備で暗渠になった北沢川の上部に、再生水を活用して、もとの植生にも配慮したせせらぎをつくった公園で、平成8年に完成しました。管理は、住民団体が区と協定を結んで行っています。

行政が一方的に整えた公園ではなく、住民が関わり続けている場所だと分かると、走り抜けるだけの道が少し違って見えます。

せたがや百景と地域風景資産に選ばれている

北沢川緑道の桜並木と代沢の桜祭りは、せたがや百景のNo.7に選ばれています。代沢せせらぎ公園とあわせて、せたがや地域風景資産にも指定されています。走る道が、世田谷区のなかで景観として認められている場所だということです。

また、北沢川文化遺産保存の会の人たちは、寄付金を募って文化的な遺産を移転し、保存したうえで、世田谷区教育委員会に寄贈する活動を行っています。走りながら足を止めると、地域の人の手で守られてきた歴史の痕跡に出会えます。

烏山川緑道は延長6,989.9mで、万葉の小径と石仏公園がある

烏山川緑道は、東京都世田谷区の三宿1丁目6番から船橋7丁目21番先までに位置し、延長は6,989.9mです。北沢川緑道の約4.3kmと足すと約11.3kmになり、17kmのコースは、これより長い周回です。

烏山川緑道の起点と終点は、情報源によって捉え方が違う

烏山川緑道の範囲は、情報源によって書き方が変わります。世田谷区の公式ホームページの数字は、三宿1丁目6番から船橋7丁目21番先までの6,989.9mです。ランニング情報サイトでは、池尻大橋から八幡山あたりまで延びる約6.7kmの緑道と紹介しています。千歳台の千歳温水プールあたりから、三宿の北沢川緑道との合流地点まで続く、延長約7kmという説明もあります。

数字がばらつくのは、緑道のどこからどこまでを数えるかが、情報源ごとに違うからです。走る側は、細かい起点と終点の違いを気にするより、三宿の合流点から北西へ、八幡山周辺まで延びる一本の道だと考えれば十分です。

宮坂1丁目に万葉の小径がある

烏山川緑道の宮坂1丁目付近には、万葉の小径があります。万葉集に詠まれた植物が植えられている区間です。春は複数の場所で桜が咲きます。雪柳、レンギョウ、ハマナス、アネモネなど、季節ごとの花も楽しめます。

走る速度だと見過ごしてしまう花も多いので、気になった場所では歩いて眺めるのも悪くありません。17kmを走ると決めた日でも、足を止める時間はあってよいと思います。

石仏公園は小田急線の高架の近くにある

石仏公園は、小田急線の高架の近くにあります。区立の公園で、公衆トイレがあり、緑道沿いの目印になる場所です。この緑道沿いのトイレは、石仏公園を逃すと当分ない、という情報があります。17kmを走る前に、位置を頭に入れておいてください。

緑道の周辺には神社仏閣が点在する

烏山川緑道の周辺には、豪徳寺、世田谷城阯公園、松陰神社、太子堂円泉寺など、歴史にゆかりのある神社仏閣があります。走る目的が距離やタイムでなくても、寄り道しながら歩く散歩コースとして成り立つ道です。烏山川緑道は、世田谷区の公式サイトのほか、世田谷デジタルミュージアムのデジタルコレクションにも収録されていて、地域の歴史資料としても扱われています。

二つの川は暗渠になり、地下には下水道が通っている

北沢川も烏山川も、現在は全区間が暗渠です。暗渠とは、地下に埋められた水路のことで、この二つの川の暗渠は、下水道として使われています。走っている緑道の真下には、かつての川の流れを引き継ぐ下水道幹線が通っていることになります。

北沢川の流れは松沢病院の近くから始まった

北沢川は、かつて目黒川の支流のひとつで、世田谷区内を流れていた二級河川でした。水源は、旧上北沢村あたり、松沢病院の構内で、湧水を集めて流れていました。源頭地は世田谷区上北沢の東京都立松沢病院付近で、玉川上水からの分水を引き込んでいました。

流れは、病院付近から南東へ向かい、経堂駅の北方で東へ向きを変えます。山下駅のすぐ北で東急世田谷線の下をくぐり、梅ヶ丘駅の東では小田急小田原線の下をくぐりました。さらに東南東へ流れて、環七通り、茶沢通り、淡島通りを越え、池尻大橋駅の西方で烏山川と出会って目黒川になります。走りながら地図を見ると、緑道の緩やかな曲がり方は、この川筋そのままです。

北沢川の暗渠化は昭和40年代

北沢川は、目黒川の支川のなかでも、汚水の流入が著しい川でした。そのため昭和40年代に大半が暗渠になり、下水道幹線として整備されました。現在は緑道として整備されています。緑道の道筋がまっすぐで緩やかにカーブしているのは、川の流れがそのまま道の形として残ったからです。

烏山川は1960年代に水質が悪化し、1980年代に緑道になった

烏山川も、北沢川と並ぶ目黒川の主要な支流でした。1970年代以降にほぼ全区間が暗渠になり、下水道の烏山幹線に転用されました。近年は、暗渠になった区間が烏山川緑道として整備されています。

緑道に立つ案内板には、水質の悪化が1960年代に始まり、1970年代に暗渠になり、1980年代に緑道になったと書かれています。烏山川の緑道化は、昭和の後半の出来事です。

烏山川の源流は、世田谷区北烏山にある高源院の鴨池とされるのが通説です。ただし、実際の状況は、もう少し複雑なようです。

江戸時代の烏山用水が流れを支えていた

江戸時代には、烏山用水という仕組みがありました。玉川上水から水を烏山川へ引き入れて流量を増やし、農業用水や生活用水を安定して確保するためのものです。少なくとも昭和の初期まで、この分水が行われていたそうです。

烏山川は自然の川であると同時に、玉川上水とつながる、人の手が入った水路でもありました。北沢川にも玉川上水からの分水を引き込んでいた経緯があるので、二つの川は、どちらも玉川上水の水に支えられた川だったことになります。

二つの緑道の延長を足すと約11.3km、17kmはそれより長い周回

二つの緑道の長さと、コース全体の目安を並べると、次のようになります。

項目数字
北沢川緑道の延長約4.3km
烏山川緑道の延長6,989.9m(約7.0km)
二つの緑道の延長の合計約11.3km
周回コースの全長約17km
ゆっくり走った場合の所要時間約1時間56分
1kmあたりのペース約6分49秒
三宿から見た二本の道の間隔約800m

緑道の延長の合計は約11.3kmで、周回コースの約17kmはそれより長くなります。これは、二つの緑道を八幡山周辺まで延ばしてつなぐ区間を含めた距離だからです。三宿の合流点から片方の緑道だけを往復するなら、北沢川緑道で約8.6km、烏山川緑道で約14kmになり、17kmを走り切らなくても、十分に走りごたえのある距離です。

江戸時代の用水から1980年代の緑道化までの年表

走りながら目にする景色は、どの時代の出来事が積み重なったものなのか、年代順に並べてみます。

時期出来事
江戸時代玉川上水から水を引き入れる烏山用水が、烏山川の流量を支える
昭和初期まで烏山川への分水が、少なくともこの時期まで続く
1960年代烏山川の水質悪化が始まる
昭和40年代北沢川の大半が暗渠になり、下水道幹線として整備される
1970年代烏山川が暗渠になり、下水道の烏山幹線に転用される
1980年代烏山川が緑道として整備される
平成6年度環七から目黒川緑道の合流点までの区間で、住民参加のせせらぎ整備が始まる
平成8年代沢せせらぎ公園が完成する
2026年3月27日北沢川緑道の桜が満開になる

年代を追うと、二つの川は、まず水質の悪化で暗渠にされ、その後に緑道として生まれ変わり、さらに平成に入ってからは、住民の手でせせらぎが復活した場所もある、という順に姿を変えてきたことが分かります。川が消えたまま終わったのではなく、道として使い続けられ、一部では水の流れも戻ってきたのが、この二つの緑道の歩みです。

17kmを超えて走りたい人は水無川緑道までつなげられる

烏山川の上流側にあたる水無川にも、緑道があります。水無川は、芦花公園西交差点の近くから上流側に緑道が現れ、千歳烏山駅の下をくぐります。三鷹市内では中川、または仲川と名を変えて、牟礼2丁目交差点の近くまで、緑道をたどることができます。

17kmでは物足りない人は、こうした上流側の緑道と組み合わせて、もっと長い距離に挑む楽しみ方があります。

走る前によくある疑問は、トイレ、給水、混雑、途中離脱の4点

トイレは石仏公園を逃すと当分ない

トイレの位置は、走る前に必ず確認しておきたい点です。緑道沿いでは、区立石仏公園の公衆トイレを逃すと、当分ありません。出発前に駅のトイレを使うか、石仏公園を通るタイミングで済ませる計画を立てておくと安心です。

給水設備は確認できていないので飲み物を持って走る

給水設備については、確認できた情報がありません。水飲み場があるかどうかが分からない以上、飲み物は持参するのが無難です。信号待ちの時間を、補給の時間にあてる走り方もできます。

桜の時期の混雑は人の少ない時間で避ける

桜の時期、特に北沢川緑道の環状七号線から淡島通りまでの区間は、花見の人で混み合います。通して走るなら、人の少ない時間帯を選ぶか、この区間だけを歩くと決めておくとよいでしょう。

途中の駅で走るのをやめてもかまわない

六つの駅がコースのすぐそばにあるので、途中で切り上げるのも、途中から走り始めるのも簡単です。体調や天気に合わせて距離を調整できるのは、17kmという長い距離のコースでは大きな利点です。

17kmの緑道コースは歴史を感じながら走れる、悪くない平坦な道

世田谷区の北沢川緑道と烏山川緑道をつないだ17kmの周回コースは、高低差がほとんどなく、木陰が多く、電車でのアクセスもよい、走りやすい道です。ゆっくり走って1時間56分、1kmあたり約6分49秒のペースが目安になります。

弱点もあります。トイレは石仏公園を逃すと当分なく、給水設備の情報は確認できていません。桜の時期には混み合います。それでも、走る足元にかつての川の流れが残っていて、地下には下水道幹線が通っているという成り立ちは、ほかの平坦な道にはない特徴です。北沢川緑道のレンガの舗道とユリノキ並木、烏山川緑道の万葉の小径など、季節ごとに足を止めたくなる場所もあります。

初めて走る人は、まず三宿の合流点から片方の緑道を行けるところまで走ってみて、体力に合わせて引き返すのが現実的です。慣れてきたら、17kmを通して走り、水無川緑道まで延ばす計画も立てられます。走る前には、世田谷区の公式ホームページで最新の情報を確認してください。

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