走ると耳が痛い原因は寒さと耳管、対処法7選まとめ

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走ると耳が痛くなる主な原因は、寒さによる血行不良、気圧の変化と耳管の働きの乱れ、耳管狭窄症や耳管開放症、外耳炎、首や肩の筋肉の緊張、マスクの紐による圧迫など複数考えられます。原因ごとに対処法は異なり、寒さが引き金なら防寒グッズで、鼻や耳の炎症が背景にあるなら耳鼻咽喉科への相談で改善が見込めます。本記事では、それぞれの原因を切り分けたうえで、走りながらでも取り組める具体的な対処法と、受診を検討すべき症状の見分け方までまとめました。冬場や花粉の季節にランニングを続けたい人は、自分の症状がどのタイプに近いかを確認しながら読み進めてください。

目次

耳の痛みの最多原因は寒さによる血行不良

走ると耳が痛くなる原因のうち、もっとも多いのは寒さによる血行不良です。耳は顔の中でも突出した位置にあり、皮膚のすぐ下を通る毛細血管は非常に細く、血流量自体が少ない部位です。手足の指先と同じく体の末端にあるため外気温の影響を受けやすく、冷えやすい構造になっています。

ランニング中は自分が生み出す向かい風によって、耳は常に冷たい空気にさらされ続けます。防寒対策をせずに冬場に走り出すと、耳はあっという間に冷えて血管が収縮し、血流が悪化します。血行が悪くなった組織からは発痛物質が放出され、これがズキズキとした痛みやジンジンする感覚として自覚されます。気温が低い日や風の強い日に痛みが出やすく、屋内に入って耳が温まると徐々に和らぐのが、このタイプの特徴です。

耳の冷えによる血行障害は、耳そのものの痛みだけでなく頭痛の引き金になることもあります。冷えで血管が収縮したあと、体がそれを補おうと急激に血管を拡張させる過程で神経が刺激され、こめかみから耳にかけてズキズキとした痛みにつながるケースがあるためです。耳の痛みと頭痛が同時に起きているなら、まず耳周辺の冷えを疑い、保温対策を優先して見直すとよいでしょう。手先や足先も冷えやすい体質の人は、耳だけでなくキャップやグローブで末端全体を保温すると、全身の血流を保ちやすくなります。

気圧の変化と耳管の働きが痛みにつながることも

耳の中には、中耳と鼻の奥をつなぐ「耳管」という細い管があり、中耳内の気圧と外気圧のバランスを調整する役割を担っています。耳管は普段閉じていて、あくびやつばの飲み込みで一時的に開き、中耳の空気を入れ替えています。標高の変化や気圧の急激な変動が起きると、この耳管の働きが追いつかず、鼓膜の内外で気圧差が生じて耳の詰まりや痛みとして現れます。

飛行機の離着陸で耳が痛くなる航空性中耳炎は、このメカニズムでよく知られています。坂道の多いコースや標高差のあるトレイルランニングでも、似たような気圧変化が耳に影響することがあります。走ることで体温が上がり、鼻や喉の粘膜の状態が変わることも、耳管の働きに影響する一因になります。

耳管狭窄症は花粉症やアレルギー性鼻炎が引き金になりやすい

耳管そのものに炎症や腫れが生じている状態は「耳管狭窄症」と呼ばれます。耳がぼんやりする、耳が詰まった感じがする、自分の声が耳の中で響くように聞こえる、といった症状が特徴です。

耳管狭窄症は、風邪や副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、花粉症などによって鼻や喉の粘膜に炎症が起こり、それが耳管の粘膜にまで及んで腫れを引き起こすことが主な原因です。花粉症のシーズンや鼻炎が出やすい季節にランニング中の耳の違和感を感じるなら、耳そのものよりも鼻やアレルギーが根本の原因になっている可能性を考えたほうがよいでしょう。治療では、消炎剤や粘液を調整する薬の内服のほか、耳管に直接空気を送り込んで通りをよくする耳管通気療法が行われることもあります。耳の詰まりや痛みを繰り返す人は、耳鼻咽喉科でアレルギーの有無や鼻の状態を調べてもらうことをおすすめします。

耳管開放症は水分不足と体重減少が主な原因になる

耳管狭窄症とは逆に、耳管が閉じにくくなる「耳管開放症」も、ランニング中の耳の違和感の原因になります。主な症状は、耳が詰まったような耳閉感、自分の声が耳の中で大きく響く自声強聴、自分の呼吸音が耳の中で聞こえる呼吸音聴取の3つです。

耳管開放症は、立っているときや運動しているときに症状が出やすく、横になったり前かがみの姿勢を取ったりすると軽くなる、あるいは消えるという特徴があります。横になると耳管周囲の血流が変わり、耳管は圧迫されて閉じやすくなります。原因には脱水症状や血行不良、運動による発汗が挙げられており、ランニングは立位で長時間発汗を伴う運動であるため、症状が悪化しやすい条件がそろっていると言えます。

体の水分が減ると耳管周りの水分も減って耳管が開きやすくなるため、脱水傾向にならないようこまめに水分を補給することが基本の対処になります。急激な体重減少が発症のきっかけになることも多いため、無理なダイエットと運動を組み合わせるのは避けたほうがよいでしょう。ストレスや睡眠不足も症状を悪化させる要因とされ、軽症であれば生活習慣を整えるだけで症状が和らぐこともあります。耳鼻咽喉科では、心身の疲労を和らげ血や水分を補う目的で「加味帰脾湯」などの漢方薬が処方されることもあります。それでも症状が続く重症のケースでは、耳管の入り口への処置や生理食塩水の点鼻、シリコン製のピンで耳管を塞ぐ処置が検討されることもあります。

外耳炎はイヤホンや耳かきのしすぎがきっかけになる

耳かきのしすぎや、汗・イヤホンの使用によって外耳道が傷ついたり湿った状態が続いたりすると、外耳道に炎症が起きる「外耳炎」を発症することがあります。外耳炎になると、耳たぶや耳の入り口部分に触れただけでズキッとした痛みが走るのが特徴で、ランニング中に汗が耳の中に入ったり、イヤホンで耳を刺激したりすることが引き金になるケースもあります。

耳の痛みの原因は、触れたときの反応でも見分けがつきます。外耳に触れると痛む場合は帯状疱疹や顔面神経麻痺、耳そうじの後に痛む場合は外耳炎、外耳に触れても痛くない場合は急性中耳炎が疑われる、というように、痛む場所や触れたときの反応によって疑われる病気は変わります。寒さだけでは説明できない耳の痛みがあるなら、こうした耳自体の病気が隠れていないか注意したほうがよいでしょう。

首や肩の筋肉の緊張が耳の痛みとして現れることもある

耳そのものではなく、首や後頭部の筋肉の緊張が耳の痛みのように感じられることもあります。ランニング中は無意識に肩や首に力が入りやすく、僧帽筋や後頭下筋群が硬直すると、そこを通る大後頭神経や小後頭神経が圧迫され、締め付けられるような痛みが頭部から耳の周辺にかけて広がることがあります。

有酸素運動であるランニングでも「運動時頭痛」と呼ばれる頭痛が起こります。急なペースアップや長時間の運動、暑い環境での運動時には血流や体温の変化が大きくなり、頭痛が誘発されやすくなるとされています。走るフォームが崩れていたり負荷が過剰にかかっていたりすると、首や肩の筋肉が過度に緊張し、それが頭痛や耳周辺の違和感につながることもあるため、フォームの見直しも大切なポイントです。

イヤホンとマスクの紐も見落とせない痛みの原因

音楽を聴きながら走る人も多いですが、耳栓型のカナル型イヤホンを長時間装着していると、外耳道が塞がれた状態が続き、蒸れや圧迫感から耳の痛みにつながることがあります。イヤホンのサイズが耳に合っていない場合や、汗で耳の中が湿った状態が続く場合は、外耳炎のリスクも高まります。

近年はランニング中もマスクを着用する人が増えましたが、マスクの耳ひもが原因で耳が痛くなるケースも見逃せません。ひもの幅が細いタイプは耳の後ろにかかる圧力が一点に集中しやすく、長時間・長距離のランニングでは食い込みによる痛みが蓄積していきます。顔のサイズに合っていない大きすぎる、または小さすぎるマスクを使っていると、ひもへの負担がさらに大きくなり、耳の付け根がすれて痛んだり赤くなったりすることもあります。汗をかいた状態でひもがこすれ続けることも、痛みを悪化させる要因の一つです。

走ると耳が痛い原因と対処法の対応表

原因ごとの特徴と、まず試したい対処法を整理すると次のようになります。

主な原因症状の特徴まず試したい対処法
寒さによる血行不良気温が低いほど痛み、屋内で和らぐイヤーウォーマーやニット帽で保温する
気圧の変化・耳管の乱れ坂道や標高差のあるコースで詰まりを感じるあくびやつばの飲み込みで耳管を開く
耳管狭窄症耳が詰まる、声が響く、鼻炎を伴う耳鼻咽喉科でアレルギーの有無を確認する
耳管開放症立位や運動時に耳閉感、横になると軽快こまめな水分補給と体重管理を行う
外耳炎耳たぶや耳の入り口に触れると痛むイヤホンの使用を控え耳鼻咽喉科を受診する
筋肉の緊張首や後頭部が締め付けられるように痛むフォームを見直し首・肩をストレッチする
マスクの紐耳の付け根がすれて赤くなる幅広タイプのマスクやマスクバンドを使う

こんな痛み方は早めの耳鼻咽喉科受診を検討する

耳の痛みの多くは寒さや軽度の炎症によるもので、体を温めたり休息を取ったりすることで和らぎますが、中には注意が必要なサインもあります。耳の痛みが数日経っても改善しない、あるいは悪化していく場合、耳から液体が出る耳だれがある場合、発熱を伴っている場合、耳の聞こえが悪くなったり耳鳴りがしたりする場合、めまいを伴う場合、耳の奥だけでなく顔の片側にしびれや麻痺のような症状がある場合、耳を触ると強い痛みがある場合は、自己判断で様子を見続けず早めに耳鼻咽喉科を受診したほうがよいでしょう。これらの症状があるときは、外耳炎や中耳炎、あるいはそれ以外の疾患が進行している可能性があるため、ランニングを一時中断し、専門医の診察を受けることが望ましいです。

イヤーウォーマーとニット帽で寒さ対策をする

寒さによる耳の痛みには、イヤーウォーマー(耳あて)の着用がもっとも直接的な対策になります。ランニング用に開発されたイヤーウォーマーは、薄手でありながら高い保温性を持つ素材が使われており、走る際の邪魔にならずに耳を寒さから守ってくれます。裏起毛で保温性が高いものや、夜間のランニングでも安全なように再帰反射材が使われているものなど、機能性に優れた商品も増えています。軽量で伸縮性があり着脱しやすく、吸汗性や速乾性に優れた素材を選ぶと、汗をかいても快適に使い続けられます。

イヤーウォーマー専用品を持っていない場合は、耳まですっぽり覆えるニット帽でも代用できます。ニット帽は耳だけでなく頭部全体の防寒にもなるため、気温が低い早朝や夜間のランニングでは重宝します。手袋やネックウォーマーと組み合わせれば、全身の防寒対策としても効果的です。ただし通気性の低い素材は汗をかいたときに蒸れやすいので、吸汗速乾素材のアイテムを選んだほうがよいでしょう。防寒グッズを持ち合わせていないときの応急的な対処法として、走りながら手のひらで耳を覆って温める方法もあります。信号待ちや坂道の上りなどペースが落ちるタイミングで数十秒でも耳を手で覆うと、血行が促進され痛みが和らぐことがあります。

走り出す前の準備運動も、全身の血行を促進するうえで重要です。体全体の血流がよくなることで耳への血流も改善され、寒さに対する耐性が高まります。軽いジョギングやダイナミックストレッチを取り入れ、体が温まった状態でランニングを始めることで、耳を含む体の末端部分が急激に冷えるのを防げます。

耳管の詰まりにはあくびとつばの飲み込みが役立つ

気圧の変化や耳管の詰まりが原因と考えられる場合は、あくびをする、つばを飲み込む、鼻をつまんで軽く息を送り込む耳抜きのような動作で、耳管を開いて圧力差を解消できることがあります。鼻をつまんで強く息を送り込む耳抜きは、やり方を誤ると鼓膜を痛める可能性があるため、力任せに行わず、違和感が続くなら耳鼻咽喉科に相談するほうが安全です。

花粉症対策には夜間ランニングと素材選びが有効

耳管狭窄症のように鼻やアレルギーが根本原因になっているケースでは、耳そのものへの対策だけでなく、鼻炎やアレルギー症状のコントロールが重要になります。花粉症の時期であれば、抗アレルギー薬の使用やマスクの着用によって花粉の吸入を減らす対策が、結果的に耳の症状の緩和にもつながります。

走る時間帯の選び方も対策の一つです。花粉は日中に多く飛散するため、飛散量が落ち着く夜間は比較的走りやすい時間帯とされています。ただし起床直後は花粉症の症状が強く出やすいモーニングアタックが起こりやすいため、朝に走る場合は起床から少し時間を置いてから出発するとよいでしょう。雨の日は花粉の飛散量が少なくなる傾向があります。服装や装備面では、帽子やマスク、サングラスを着用することで花粉が顔や目、鼻や口に直接付着するのを防げます。ウェアの素材にも注意が必要で、ウールやフリースのような起毛素材は花粉が付着しやすいため、表面が滑らかなポリエステルなどの化学繊維素材を選ぶと花粉の付着を減らせます。防水仕様のウィンドブレーカーを羽織るのも、衣類への花粉付着を防ぐのに役立ちます。症状が強い時期は、医療機関で処方される薬に加えて、鼻腔内に塗って花粉の侵入をブロックするタイプの市販薬を活用するのも一つの方法です。

ランニングフォームの見直しで首や肩の緊張をほぐす

首や肩の筋肉の緊張が耳周辺の痛みにつながっている場合は、ランニングフォームの見直しが有効です。猫背気味になっていないか、肩に力が入りすぎていないか、着地の際に体が左右にぶれていないかなど、自分のフォームを一度チェックしてみましょう。動画で自分の走りを撮影して客観的に確認したり、ランニング専門店やトレーナーにフォームを見てもらったりするのもおすすめです。走った後には首や肩まわりのストレッチを取り入れることで、筋肉の緊張をほぐし、頭痛や耳周辺の違和感を軽減できます。

マスクの紐対策とイヤホンの見直しで物理的な刺激を減らす

マスクの紐による耳の痛みには、いくつか手軽な対策があります。ひもの幅が広いタイプのマスクに変えると、耳の後ろにかかる圧力が分散され、食い込みにくくなります。市販のマスクバンドやイヤーフックといった補助グッズを使えば、ひもを耳にかけず後頭部で固定できるため、耳への負担そのものをなくすことも可能です。ひもが当たる部分にガーゼやコットン、柔らかい布を挟んでクッション代わりにする方法や、着用前にゴム紐を一度伸ばしておいて締め付けを和らげる方法も応急的に役立ちます。状況が許すなら、こまめにマスクを外して耳を休ませる時間を作ることも、痛みの予防につながるでしょう。

イヤホンの圧迫や蒸れが原因と考えられる場合は、耳栓型ではなく耳をふさがない骨伝導タイプのイヤホンに変える、こまめに耳を休ませる、サイズの合ったイヤーピースに交換するといった対策が有効です。長時間耳を密閉した状態を避けることで、外耳炎のリスクを減らせます。

耳の痛みが続くなら耳鼻咽喉科、頭痛が主なら脳神経外科も選択肢に

耳の痛みが続く場合、何科を受診すればよいか迷う人も多いでしょう。耳の痛みや違和感が気になる場合は、耳・鼻・のどを専門とする耳鼻咽喉科の受診が基本になります。耳の状態を直接診察したうえで、症状を緩和し悪化を防ぐための治療を行ってもらえます。

一方で、耳の痛みではなく頭痛が主な症状で、めまいやしびれ、手足の動かしにくさといった神経症状を伴う場合には、脳神経外科や神経内科の受診も検討したほうがよいでしょう。運動時に生じる頭痛の中には、まれに重い病気が隠れていることもあるため、症状が繰り返し起こる、あるいは今までにない強い痛みが急に生じた場合は、早めに医療機関で相談することが大切です。自己判断が難しい場合は、まずかかりつけ医や耳鼻咽喉科に相談し、必要に応じて他の診療科を紹介してもらう流れで問題ありません。

日頃の防寒とセルフケアで痛みを繰り返さない

耳の痛みを繰り返さないためには、対症療法だけでなく日頃の予防習慣も重要です。気温が低い日は必ずイヤーウォーマーやニット帽を着用し、走る前には軽いウォームアップで全身の血流を良くしてから走り出しましょう。鼻炎やアレルギー体質の人は、シーズン前から薬で症状をコントロールしておくと安心です。イヤホンを使う場合は耳に負担をかけにくいタイプを選び、長時間の使用は避けたほうがよいでしょう。走った後は耳やその周辺、首・肩を冷やしすぎないようにケアし、耳かきのしすぎにも注意して外耳道を傷つけないようにします。体調がすぐれないときや、鼻づまり・喉の炎症があるときは、無理に走らない判断も大切です。

走ると耳が痛くなる原因は一つではなく、寒さによる血行不良、気圧の変化と耳管の働きの乱れ、耳管狭窄症や耳管開放症、外耳炎、首や肩の筋肉の緊張、マスクの紐やイヤホンによる物理的な刺激まで幅広く考えられます。多くの場合はイヤーウォーマーやニット帽での防寒、ウォームアップの徹底、フォームの見直しといったセルフケアで改善が見込めますが、痛みが長引く、耳だれや発熱、めまい、聞こえの悪化を伴う場合には、自己判断で放置せず耳鼻咽喉科を受診しましょう。自分の耳の痛みがどのタイプに近いかを見極め、それぞれに合った対策を取り入れることで、寒い季節でも標高差のあるコースでも、ランニングを続けやすくなるはずです。

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