小幡緑地には、園内を1周する距離として公式に示された数字はありません。愛知県と名古屋市の公式情報で距離がわかる道は、本園の木の道が818m、ウォーキング向けの小幡東部コースが約4km、ゆとりーとラインのウォーキングイベントのコースが約6kmの3つです。ランニング用の周回は、この3つを目安に自分で組み立てることになります。
小幡緑地は、名古屋市守山区と尾張旭市にまたがる愛知県営の広域公園で、入園は無料です。本園、西園、東園、中央園の4つの園に分かれていて、路面の種類も雰囲気も園ごとにかなり違います。この記事では2026年10月時点の情報を、面積、距離、地形、開園時間、駐車場、アクセス、整備の経緯の順に整理しました。走る時間帯と起点を決める材料にしてください。
小幡緑地は計画面積約227haのうち約80haが開園している県営公園
小幡緑地の計画面積は約227haで、実際に開園しているのはそのうちの約80haです。公園全体を走り回れるわけではなく、使えるのは開園した部分だけです。地図を見るときは、開園区域だけが走れる範囲だと考えておくと戸惑いません。
都市計画の面積と開園面積の内訳
愛知県の資料では、都市計画決定の面積が226.9ha、開園面積が79.4haとされています。敷地面積としては80.5haという数字も示されています。227ha前後は計画全体の面積で、80ha前後が実際に開園している部分です。
ランナーにとって大切なのは、広さそのものより、丘陵地の中で園が4つに分かれている点です。4つの園は性格が違い、それぞれの園で路面も景色も変わります。
所在地と開園の年
所在地は名古屋市守山区大字小幡、牛牧と、尾張旭市霞ヶ丘町北、桜ヶ丘町です。カーナビや地図アプリには、名古屋市守山区大字牛牧字中山1632-1と入力すると本園付近に案内されます。
名古屋市の案内では、昭和32年(1957年)に開園した県営公園です。愛知県の資料では、都市計画上の区分は広域公園になっています。開園から60年以上たつ公園で、木々も池も長い年月をかけて今の姿になりました。
本園、西園、東園、中央園で走る環境は大きく違う
走る場所を選ぶなら、まず4つの園の性格を知っておくことです。スポーツ施設が集まる西園と、池と散策路がある本園では、同じ公園でも景色がまったく違います。
| 園 | 主な特徴 | 走る人に関係する点 |
|---|---|---|
| 本園 | 木の道、石の道、土の道。緑ヶ池、竜巻池、見返ヶ池。遊具のある芝生広場と渓流広場 | 路面が数種類あり、池のまわりを通る |
| 西園 | 野球場、球技場、テニスコート12面、トレーニング施設 | 有料施設が中心。早朝は6時30分に開門 |
| 東園 | 芝生広場。児童野球場 | 早朝は6時30分に開門 |
| 中央園 | 水生園と野鳥観察の森。観察区域と保全区域に分かれる | 保全区域は特別なイベント時以外は立ち入り禁止 |
本園は路面の種類が多く、池のまわりを通る
本園には、木の道、石の道、土の道といった名前のついた散策路があります。名前が違うのは路面が違うからで、走る人の足には感触の違いとして返ってきます。路面ごとの距離や走りやすさを示した公式の数字はないので、自分の足で試して、合う路面を見つけるのが近道です。
池は緑ヶ池、竜巻池、見返ヶ池の3つです。遊具のある芝生広場があり、広場の中を川が流れる渓流広場では、水辺の植物や水生生物を観察できます。走る合間に足を止めて、池の景色を眺めるのにも向いた園です。
西園は施設中心で、早朝から開く
西園は野球場、球技場、テニスコート(12面)、トレーニング施設が並ぶスポーツ施設のエリアです。有料の施設が中心になっています。球技場と野球場は土日祝日の7時から使えます。
ランニングの起点として見ると、西園と東園が早朝の6時30分に開門する点が効いてきます。朝の早い時間に走りたい人は、本園より先に西園か東園の駐車場に入る形になります。
東園は芝生が広がる
東園の中心は芝生広場で、児童野球場もあります。木立の中の道とは違い、広場の景色が開けているのが東園の特徴です。見通しがよい分、本園の木立とは違う気分で走れます。
中央園は走るより見て歩く場所
中央園の水生園は、湿地とそのまわりの自然を保護し、観察する目的で2005年に設立されました。観察区域は常時公開されていますが、保全区域は原則として非公開で、特定の観察会のときだけ案内つきで見学できます。春には水生園でハルリンドウが咲き競います。
注意したいのは開園時間です。中央園の水生園と野鳥観察の森は9時から16時までで、本園や東園より短くなっています。駐車場から中央園へ歩いていっても、9時前や16時以降は水生園にも野鳥観察の森にも入れません。早朝や夕方に走る場合、中央園の施設は見られないと考えておいてください。
園内1周の公式距離はなく、目安になるのは818mと約4kmと約6km
園内を1周する距離は、愛知県と名古屋市の公式資料には示されていません。距離がわかるのは、散策やウォーキングの3つのコースです。
| コース | 距離 | 内容 |
|---|---|---|
| 木の道 | 818m | 本園の林の中を通る遊歩道 |
| 小幡東部コース | 約4km | ゆとりーとライン小幡緑地駅から県営小幡緑地、マメナシ、えん堤と砂防学習舎などを巡る散策コース |
| ゆとりーとラインのウォーキングコース | 約6km | 小幡緑地駅から本園、御膳洞公園、東園、吉長南公園を経てイオン守山店がゴール。途中に階段と坂道あり |
木の道の818mは1本の長さで、1周の距離ではない
木の道は、林の中を通る全長818mの遊歩道です。小幡緑地の中で距離がはっきり書かれた散策路はこれだけなので、走る距離を数える物差しとして使えます。往復すれば約1.6kmになります。
ただし818mは木の道1本の長さで、園内を1周した距離ではありません。木の道を1周すると818mになると考えて計画を立てると、思ったより短く終わってしまいます。
約4kmと約6kmはウォーキングの案内
小幡東部コースの約4kmと、ゆとりーとラインのウォーキングコースの約6kmは、どちらも歩くための案内です。ランニングの目安にするなら、この距離を歩くコースが公園とその周辺に設定されている、という見方になります。
約6kmのコースは、本園を出たあと御膳洞公園、東園、吉長南公園と進み、イオン守山店で終わります。出発点と終点が違うので、1周して元の場所に戻るコースではありません。走って戻るなら、同じ距離を引き返すか、バスを使うかを決めておく必要があります。
周回は自分で組み、距離は自分で測る
公式の周回距離がないので、小幡緑地で周回を走りたい人は、自分でルートを決めて距離を測ることになります。木の道を軸にして本園の池のまわりをつなぐのか、東園の芝生広場まで足を延ばすのかで、1周の長さは変わります。
ランニングウォッチや地図アプリで一度走って距離を測っておけば、次からは自分の周回コースとして使えます。短く走りたい日は木の道の往復、長く走りたい日は本園から東園までをつなぐ、といった使い分けもできます。
園内の道は木の道・石の道・土の道で、尾張広域緑道は別の道
小幡緑地の園内で走る道は、公園内の散策路です。名前のついた道は、木の道、石の道、土の道です。園内の道の名前としてはこの3つを覚えておくと、案内図を見るときに迷いません。
「緑道」という言葉で検索すると、尾張広域緑道が出てきます。尾張広域緑道は木曽川から庄内川に至る別の緑道で、小幡緑地そのものを指す名前ではありません。小幡緑地の中を走る道としては、緑道ではなく散策路と呼ぶのが実態に合っています。
階段と坂道のある丘陵地なので、平坦なコースを期待すると外れる
小幡緑地は丘陵地の自然を生かした公園で、平坦な周回コースではありません。名古屋市のウォーキング資料には、約6kmのコースの途中に階段と坂道があると書かれています。2018年度の春のウォーキングのチラシにも、同じ案内があります。愛知県の資料も、本園と中央園を広場と丘陵地の自然が楽しめる場所と紹介しています。
標高差の公式な数字は示されていませんが、階段と坂道があることは複数の公式資料で一致しています。ペースを一定に保って走りたい人や、タイムを測りたい人には向きません。自然の中を歩くように走る、起伏を楽しむ、という使い方が合います。
池とマメナシと小幡ヶ原の歴史を知ると走る道が違って見える
小幡緑地の池や木には、土地の歴史がついてきます。走る合間に足を止めて見ると、同じ道が少し違って見えます。
緑ヶ池は明治35年にえん堤でできた
名古屋市の資料に、池の成り立ちが書かれています。元禄年間(1689年から1704年)に、雨と土砂の流れを庄内川に流すための堰止めが行われました。その後、明治35年(1902年)にえん堤を築き、三つの沼が緑ヶ池になりました。
マメナシは国内の自生木が350本ほど
マメナシは氷河期の遺存植物で、環境省の絶滅危惧種に指定されています。日本国内の自生木は350本ほどで、そのうち半数近くが、小幡緑地本園や大森蛭池など、守山区内とその周辺に生えています。愛知県の資料では、竜巻池と緑ヶ池の間あたりにマメナシが載っています。
小幡ヶ原は射撃場跡と戦後開拓地の土地
名古屋市の小幡東部コースには、小幡ヶ原射撃場跡や、戦後の開拓地時代の名残である直線道路が含まれています。この土地は、軍用地や開拓地として使われてきました。公園の木立の中を走る道が、そうした歴史と地続きにあることがわかります。
本園と東園の開園時間は季節で変わり、閉門後は駐車場が開かない
走る時間帯を決めるうえで、開園時間は最初に確認する項目です。本園と東園は季節で時間が変わり、駐車場が閉まったあとは開錠されません。
| 区分 | 時間 |
|---|---|
| 本園と東園(4月から9月) | 8時30分から19時 |
| 本園と東園(10月から3月) | 8時30分から17時30分 |
| 西園と東園の早朝開門 | 6時30分 |
| 中央園、水生園、野鳥観察の森 | 9時から16時 |
| トレーニング施設 | 9時から17時 |
2026年10月は、10月から3月の区分に入るので、本園と東園の閉門は17時30分です。夏と同じ感覚で夕方に走り始めると、駐車場に戻れなくなります。駐車場が閉門したあとは開錠されないので、車で来る人は閉門時刻の前に戻ってください。
時間帯ごとに整理すると、走り方の組み立てが見えてきます。6時30分から8時30分までは、開いている西園と東園で走る時間です。8時30分以降は本園も加わり、池のまわりや木の道を走れます。9時を過ぎれば中央園の水生園と野鳥観察の森も開き、16時までは見学を組み込めます。4月から9月は19時まで本園と東園を使えるので、夕方の涼しい時間にも走れます。10月から3月は17時30分で閉まるため、日の短い季節ほど走り出す時間を早めに決める必要があります。
有料施設の休業日は、毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)と年末年始(12月29日から1月3日)です。球技場、野球場、テニス場、トレーニング施設がこれにあたります。公園そのものは入園も駐車場も無料なので、月曜日に走れないということはありません。
駐車場は無料で合計約660台、本園が325台でいちばん多い
駐車場は無料で、普通車の台数は合計で約660台です。内訳は西園が188台、本園が325台、東園が150台で、足すと663台になります。
ランナーにとって大事なのは、本園が325台と園の中でいちばん多いことです。本園を起点にするのが、台数の面ではいちばん選びやすい形です。早朝に走りたいときは、6時30分に開門する西園や東園の駐車場が選択肢になります。西園は188台、東園は150台の収容数があるので、本園の駐車場が埋まっていたときの代わりの起点にもなります。園が違えば路面も景色も変わるため、走る距離や気分に合わせて駐車場を選ぶのも、この公園の使い方のひとつです。
電車とバスで行くなら、ゆとりーとラインの小幡緑地駅が起点
車を使わないランナーは、ゆとりーとラインの小幡緑地駅を使うのが基本です。ゆとりーとライン(ガイドウェイバス志段味線)は、2001年3月に開業した、鉄道とバスのよい点を組み合わせた路線です。JR大曽根駅から乗って、小幡緑地で降りる行き方が一般的です。
小幡緑地駅から本園までは、徒歩2分から5分ほどです。市バスなら緑ヶ丘住宅で降りて、北へ徒歩5分です。小幡駅の出口からは徒歩約15分で、竜泉寺駅や竜泉寺口駅も最寄りの駅として使えます。
電車とバスで来て走り、走り終えたら名古屋市内に戻る流れは、荷物を車に置けない分だけ身軽に準備する必要があります。必要な荷物は最小限にして、着替えやタオルをどうするかを先に決めておくと安心です。
魅力向上委員会とPark-PFIで公園は変わり続けている
小幡緑地は、この10年ほどで整備の話が動いてきた公園です。愛知県は2016年度に小幡緑地魅力向上委員会を設けました。バリアフリーの散策路づくり、森の再生、健康林づくりの散策路の拡充、魅力紹介マップの作成など、多くの案が出ています。
県として初めてPark-PFIを使った
愛知県は、県営都市公園で初めてPark-PFI制度を使い、2019年9月6日から12月6日まで、公園施設の設置と管理運営を担う事業者を公募しました。3者から提案があり、2020年1月7日に中部土木と岩間造園のグループが事業予定者に選ばれました。事業計画の認定は2020年3月27日で、有効期間は認定の日から20年間です。
当初の計画では、事業区域は約14,400平方メートルでした。キャンプサイト、バーベキューサイト、約500平方メートルで約75席のレストラン、駐車場を設ける内容です。
オバッタベッタは2021年4月20日に一部オープン
新しい公園施設のオバッタベッタは、2021年4月20日に一部がオープンしました。同年6月にグランドオープンしています。バーベキューとキャンプのサイトのヤネルと、レストランのマメボシで構成されていて、中部土木のページでは、名古屋市内で初めての都市型キャンプとバーベキュー場と説明されています。
営業時間や料金は変わることがあるので、利用する前に公式サイトで最新の内容を確認してください。走ったあとに立ち寄る場所として、頭に入れておくと選択肢が広がります。
最新の整備状況は走る前に公式ページで確認する
整備や工事の状況によって、通れない通路が出ることがあります。走る前に、愛知県の小幡緑地のページか、小幡緑地管理事務所で最新の状況を確認しておくと安心です。また、愛知県の運営支援課のページでは、小幡緑地が第20回アジア競技大会の競技会場として紹介されています。
小幡緑地のランニングについてよくある疑問
ここまでの内容を、よくある疑問に沿って短くまとめます。
園内を1周する距離はどれくらいかという疑問には、公式の数字はない、と答えるのが正確です。距離がわかるのは、木の道の818m、小幡東部コースの約4km、ゆとりーとラインのウォーキングコースの約6kmの3つで、いずれも1周の距離ではありません。
平坦なコースかという疑問には、いいえと答えます。約6kmのコースの途中には階段と坂道があり、公園全体が丘陵地の自然を生かした地形です。
走るのに料金がかかるかという疑問には、入園も駐車場も無料と答えられます。有料なのは、球技場、野球場、テニス場、トレーニング施設です。
朝は何時から走れるかという疑問には、西園と東園が6時30分に開門すると答えます。本園と東園は8時30分からの開園時間もあるので、どの園の門を使うのかを先に決めておく必要があります。
緑道はあるのかという疑問には、園内の道は木の道、石の道、土の道と呼ばれる散策路です、と答えます。検索で出てくる尾張広域緑道は、木曽川から庄内川に至る別の道です。
小幡緑地で走る前に押さえる数字
小幡緑地は、公式な周回距離がない代わりに、自分でルートを組める公園です。起点は駐車場が325台ある本園か、早朝6時30分から開く西園と東園のどちらかです。距離の目安は木の道の818m、散策の約4km、ウォーキングの約6kmで、階段と坂道があることを前提にします。
10月から3月は本園と東園が17時30分に閉まり、閉門後は駐車場が開きません。中央園の水生園と野鳥観察の森は9時から16時で、早朝には入れません。最新の整備状況や通行できる範囲は、愛知県の小幡緑地のページか小幡緑地管理事務所で確認してから出かけてください。








