谷中湖のランニングコースは1周5.4kmと7.3km、平坦で走りやすい理由

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谷中湖を走るなら、北ブロックを回る1周5.4kmの周回か、谷中ブロックまで足を延ばす1周7.3kmの周回が基本になります。どちらも湖岸に沿った平坦な道で、上り下りを気にせず同じペースで距離を刻めます。無料で走れます。

谷中湖は、渡良瀬遊水地の南部に広がるハート型の湖で、渡良瀬貯水池とも呼ばれます。湖の面積は約4.5平方キロメートルです。遊水地そのものは栃木、群馬、茨城、埼玉という4つの県の境に広がり、面積は33平方キロメートル、ヘクタールに直すと3300haもあります。首都圏との距離は約60kmで、周辺には高速道路を含む道路網のほか、東武鉄道やJRの鉄道網も整っています。

湖の周りは運動や行楽に使われていて、訪れる人は年間約120万人にのぼります。

目次

谷中湖の周回コースは1周5.4kmと7.3kmの2本

谷中湖で走るコースは、湖の北西側にある2つの周回に絞られます。南ブロックの東側には入れないため、湖をぐるりと一周する走り方はできません。

北ブロックだけを回る1周5.4km

北ブロックをひと回りすると5.4kmです。大会のコースにもこの周回が使われています。2周すると10.8kmです。10km前後を目標にする場合は、5.4kmか7.3kmの周回を何周か重ねて走るのが一般的です。

谷中ブロックまで含めた1周7.3km

谷中ブロックまで広げると、1周の距離は7.3kmになります。湖の北西側の半分ほどをなぞる形で、このコースを実際に走った人の記録には、平坦で走りやすいと書かれていました。

栃木市が紹介している散策コースも、ほぼ同じ約7.3kmです。谷中湖の起点・終点から歩き出し、谷中湖北ブロック、中の島の野鳥観察台、北橋を通って戻ってきます。歩くと約1時間50分かかり、栃木市はこのコースを上級者向けとしています。天気が崩れたあとや工事の最中は足元が悪くなる区間もあります。もともとランニング専用に整えた道ではないため、路面の状態を見ながら進むことになります。

谷中湖の周回のほかに遊水地を巡るコースもある

谷中湖の周回より長く走りたい人向けに、遊水地全体を巡るルートもあります。ランニングの記録サイトで紹介されている一周ルートは約15キロメートルで、15.85kmのコース例も載っています。同じ記録サイトには、遊水地のハートランドをひと回りする約9kmのコースもあります。

これとは別に、遊水地の外周の長さは約30kmです。こちらは自転車で遊水地を大きく巡るときの目安になる距離です。

谷中湖の周りが平坦なのは日本初の平地型ダムだから

谷中湖の周回路に起伏が少ないのは、湖の造られ方に理由があります。谷中湖は、日本で初めての平地型ダムです。山あいの谷をせき止める一般的なダムと違って、平らな土地を堤防で囲み、その内側に水をためています。湖の周りに平らな地形が続くのはそのためです。

貯水池としての役目は二つあります。一つは渡良瀬川の洪水を調整すること、もう一つは首都圏に送る生活用水を確保することです。

谷中湖でのランニングは反時計回り、月曜日と年末年始は走れない

谷中湖周辺の公式ルールでは、ランナーは反時計回り(左回り)で走り、道の左側を進むのが決まりです。

利用できない日は、毎週月曜日と、年末年始の12月29日から1月3日までです。月曜日が休日にあたる場合は、その翌日が休みになるといった細かい決まりもあります。入場ゲートの開いている時間は、季節ごとに次のように変わります。

期間利用できる時間
3月1日から10月31日まで9時30分から17時
11月9時30分から16時30分
12月から2月末まで9時30分から16時

閉まる時刻を知らずに周回を重ねていると、ゲートが閉じて外に出られなくなります。

天候による利用禁止もあります。令和7年12月に改訂された渡良瀬遊水地の利用ルール・マナーでは、大雨洪水注意報以上が出たときや洪水期間中は、谷中湖の利用を禁止しています。洪水のあとにしばらく閉鎖されることもあるため、出かける当日に利用できるかどうかを確かめてから家を出てください。

周回コースのトイレと給水所は北ブロック・北橋・谷中ブロック北側に

とちぎ健康づくりロードのコース案内に載っているチェックポイントのうち、県道佐野・古河線側の谷中湖北ブロックには、トイレと休息所、駐車場、給水所がそろっています。谷中湖北橋と谷中ブロック北側のチェックポイントにも同じ設備があります。

車で来る場合、駐車場は北エントランスに何か所かあり、路肩に止められる場所も多くあります。

トラックで練習したい日は、1時間100円から借りられるグラウンドが使えます。400mトラックと5.4kmの周回コースを、目的に合わせて使い分けられます。

子供広場ゾーンには、サイクリング用の自転車の貸出所と、バーベキューができる場所があり、デイキャンプも楽しめます。火を使えるのは決められた場所だけです。

谷中湖の周回路には西からの風と夏の日差しをさえぎるものがない

谷中湖の周りには視界をさえぎる建物がほとんどありません。風は特に西側から強く吹き抜けます。

冬の周回路は風よけのない一本道になり、体感温度が大きく下がります。夏は逆に日陰が少なく、11時から14時ごろは路面の温度が上がります。夏に走るなら、9時30分の利用開始から11時前までの午前中が向いています。

意外な落とし穴は毛虫です。東屋などの周りで大量に発生することがあるので、休憩する場所は選んだほうがよいでしょう。

雨が降ったあとや水位が上がったあと、遊水地として水を受け止めたあとは、地面が湿ってぬかるみ、水たまりもできて走りにくくなります。また、周回コースは枝分かれする道が多く、走っている人が道を間違えやすい地点や、入ってはいけない区域もあります。遊水地を大きく巡るルートを走る場合は、事前の下調べが必要です。

増水時は水位が急に上がり下がりする

洪水調節が行われているときは、渡良瀬貯水池や周りの川で水位が短い時間で大きく上下します。以前、台風が来たときには谷中湖のまわりで河川敷の道路などが水をかぶり、水位が下がるまで子供広場や駐車場といった施設が使えなくなりました。

1月から3月は干し上げで湖の様子が変わる

1月から3月は、干し上げに伴って水位が下がるため、湖面を使えない場合があります。干し上げは、水位を下げて湖の底を出し、一定の期間日光に当てることで、窒素やリンが溶け出すのを抑え、カビ臭を防ぐ取り組みです。

利根川上流河川事務所は、令和7年度(2025年度)の干し上げについて、1月上旬から水位を下げ始め、干し上げそのものは3月上旬に始める予定を示していました。干し上げでは水面を約2割残し、魚や鳥への影響に配慮しています。期間中は、むき出しになった湖の底や、滑りやすくなった護岸に近づかないよう呼びかけられています。

2026年11月23日には谷中湖でオータムマラソンが開かれる

谷中湖の周回コースは、いくつものマラソン大会の会場になっています。2026年11月23日(月・祝)には、2026渡良瀬遊水地オータムマラソンが予定されています。

コースは谷中湖周辺の周回5.4kmで、雨でも中止になりません。申し込みの受付は2026年8月9日に始まり、11月21日に締め切られます。開催の1か月前までに申し込むと参加費が500円引きになります。種目と参加費は次のとおりです。

種目参加費条件・補足
フルマラソン5,000円18歳以上、制限時間5時間
ハーフマラソン4,000円中学生以上、10時30分スタート、制限時間3時間
ハーフマラソンリレー1名3,000円2人から4人のチーム
10.8km3,500円ペア割は1組6,500円
5.4km3,000円ペア割は1組5,500円
親子マラソン1組2,000円―

第18回渡良瀬遊水地ハーフマラソン大会は2026年9月27日(日)に行われ、会場は栃木市藤岡町内野にある渡良瀬遊水地中央エントランスでした。同じ2026年の2月にはウインターマラソンがあり、スポーツメイトランの渡良瀬遊水地マラソン大会も第5回、第6回と続いています。

走る大会だけではありません。2019年に栃木市が案内したイベントでは、谷中湖の周回路でロードバイクのレースが行われ、子どもたちのパレードやガイド付きのサイクリングツアーもありました。このときは東武日光線の藤岡駅と藤岡遊水池会館から無料の送迎バスが出ていました。さかのぼって2016年の渡良瀬遊水地まつりでは、自転車で速さを競うタイムトライアルやレジャースポーツが行われました。

谷中湖への最寄り駅は藤岡駅・板倉東洋大前駅・柳生駅・古河駅

最寄り駅は4つあり、東武日光線では藤岡駅と板倉東洋大前駅と柳生駅、JR宇都宮線では古河駅です。国土交通省が示す徒歩の所要時間は、板倉東洋大前駅からが約40分でいちばん短く、柳生駅は約50分、藤岡駅は約1時間、古河駅は約1時間15分かかります。

バスなら栃木市ふれあいバス(藤岡線)が使えます。谷中湖停留所に止まるのは土日祝だけで、平日は道の駅きたかわべ停留所を使います。

車なら、東北自動車道の佐野藤岡ICと館林ICのどちらからでも約20分で着きます。場所は、国道354号の三国橋を起点にすると北西へ約3kmです。中央エントランスは湖の西側にあります。

問い合わせの窓口は、栃木市の遊水地課です。

走り終えたら谷中村の史跡とヨシ原の野鳥を見に行ける

谷中湖の周りには、歴史の跡と野鳥の観察地がそろっています。

谷中湖がハート型になったのは谷中村の遺跡を残すため

湖の北の端だけがへこみ、全体がハートの形になった理由は、谷中村の遺跡にあります。住民団体が遺跡を残すよう国に働きかけ、1972年の谷中湖の建設にあわせて、村の史跡を守る区域が湖から外されました。

谷中村は、上流にある足尾銅山の鉱毒事件と深く関わる村です。鉱毒を沈めることなどを目的に遊水地が造られ、その建設によって村は消えました。田中正造が移り住んだのもこの村です。村がなくなったのは1906年で、このとき藤岡町に組み入れられました。

谷中村の土地の大部分は、いまの谷中湖の下に沈んでいます。湖のそばの谷中村史跡保存ゾーンでは、かつての役場の跡や延命院の跡を見ることができます。ハート池のあたりでは、ガイドから話を聞くことも可能です。谷中湖は日本三大ハート湖の一つにも数えられています。

渡良瀬遊水地は2012年7月からラムサール条約の登録湿地

ラムサール条約の湿地に渡良瀬遊水地が加わったのは、2012年7月のことです。登録された湿地は、茨城県古河市、栃木県栃木市・小山市・野木町、群馬県板倉町、埼玉県加須市にまたがっています。登録面積は2,861ha、標高は8mから23mで、湿地の種類は低層湿原と人工湿地です。国際登録基準は1にあたり、国指定鳥獣保護区と河川区域として守られています。

この湿地を代表するのがヨシ原で、広さは約1,500haあります。コウノトリをはじめ多くの野鳥が集まる場所で、冬は水鳥や猛禽類が増えるため、関東でも指折りの観察地として知られています。冬にバードウォッチングをするなら、ヨシ原に沿った遊歩道が向いています。野鳥の観察会では、オオセッカやチュウヒも取り上げられています。

栃木市のガイドには、ヨシ焼きとヨシ細工を体験できるメニューもあります。

湖のブロックごとに楽しみ方が分かれる

谷中湖は北・谷中・南の三つのブロックに分かれ、それぞれ使われ方が違います。湖の上でのスポーツは北ブロックが中心で、カヌーやウインドサーフィンが行われています。また、谷中ブロックではえさ釣り、南ブロックではルアー釣りができます。

ウォッチングタワーや煉瓦窯など湖の周りの見どころ

湖の周りには湿地全体を見渡せるウォッチングタワーがあります。撮影スポットになっているのは、第二調節池の堤の上です。堤の上からは、朝焼けや朝の水鏡、夕方に逆光で浮かぶヨシ原を撮ることができます。近くには、野木町の重要文化財になっている煉瓦窯もあります。

谷中湖は平坦な5.4kmと7.3kmの周回で距離を組み立てられる湖

谷中湖のランニングコースは、北ブロックの1周5.4kmと、谷中ブロックまで含めた1周7.3kmの2本で、周回を重ねて距離を調整できます。

走る前に押さえたいのは、反時計回りのルール、月曜日と年末年始の休み、季節で変わるゲートの閉門時刻、そして大雨洪水注意報が出た日の利用禁止です。西側からの強い風と、夏の日陰の少なさにも注意が必要です。

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