上尾運動公園のランニングコースは、陸上競技場の外周に設けられた1周800メートルのウレタンチップ舗装のコースです。埼玉県上尾市にあるこのコースには100メートルごとの距離表示があり、反時計回りでの走行ルールも案内されているため、初めて訪れるランナーでもペース管理がしやすくなっています。国道17号沿いという立地でありながらランナーの数は控えめで、混雑を気にせず走り込みたい人にも向いています。この記事では、コースの構造や利用時間、駐車場の使い方、そしてアクセス方法を順に説明したうえで、上尾シティハーフマラソンなど周辺で行われる大会についても紹介します。走る前に知っておくと安心できる情報を、実際の距離感や数字を交えてまとめました。

ランニングコースは1周800メートルでウレタンチップ舗装
上尾運動公園の陸上競技場を取り囲むように整備されたジョギングコースは、1周800メートルの長さがあります。路面にはウレタンチップが敷き詰められていて、着地の衝撃を吸収する仕組みになっているため、膝や足首への負担を抑えながら走ることができます。カーブが緩やかな楕円形のレイアウトなので、スピードを落とさずに走り抜けやすく、インターバル走のような速いペースの練習にも向いています。
コースには100メートルごと、あるいは200メートルごとに距離表示が設置されていて、自分がいまどれくらい走ったのかをその場で確認できます。GPSウォッチを持っていないランナーでも、この距離表示を目安にペース配分を組み立てられるのは実用的なポイントです。走行方向は反時計回りが基本とされていて、これは陸上競技のトラック走行と同じルールです。すれ違いや追い越しの際に方向がそろっていたほうが安全なので、初めて利用する人はこのルールを覚えておくとよいでしょう。
コース脇には枝ぶりの大きな樹木が立ち並んでいて、季節ごとの表情の変化も楽しめます。トイレと自動販売機も設置されているため、給水を挟みながら長めの距離を走ることも可能です。ランナーや歩行者の数は比較的少なめと紹介されている一方で、日中は駐車場の広さや設備の充実もあってランニングやウォーキングを楽しむ人の姿がそれなりに見られるという声もあります。時間帯によって混み具合が変わる可能性がある点は、頭の片隅に置いておくとよさそうです。
陸上競技場は1966年開場で400メートル6コースのトラックを持つ
コースの内側にある陸上競技場は、1966年(昭和41年)に完成し、翌1967年10月1日に都市公園として正式に開園しました。翌年の昭和42年に開催された埼玉国体に合わせて整備された経緯があり、開園から半世紀以上が過ぎたいまも埼玉県内の陸上競技の拠点として使われ続けています。
正式名称は埼玉県上尾運動公園陸上競技場で、日本陸上競技連盟公認の第2種陸上競技専用スタジアムです。トラックは1周400メートル・6コースで、フィールド内側は天然芝になっています。ただしフィールド内には砲丸投や走幅跳といった陸上競技のための設備が組み込まれているため、サッカーやラグビーのような球技には使えない構造です。陸上競技専用施設として設計されている点は、総合競技場との大きな違いといえます。
スタンドは鉄筋コンクリート3階建てのメインスタンドが約8100人、盛り土でつくられた芝生スタンドが約32000人を収容できる規模で、合わせて最大40100人が観戦できます。大規模な大会でも観客の動線が乱れにくいよう設計されており、実際に上尾シティハーフマラソンのような大規模イベントの会場にもなっています。
トラックについては一般利用者向けの個人利用日が設けられていて、指定された日時であれば当日競技場入口で受け付けたうえで利用できる仕組みでした。参考として示されていた料金は県内利用者で1日35,200円、半日28,660円という水準でしたが、これは特定の時期の情報にすぎず、区分や金額は年度ごとに変わる可能性があります。実際に利用を検討する場合は、公益財団法人埼玉県公園緑地協会の公式サイトで最新の料金表を確認したほうが確実です。
なお、トラックは改修工事のため令和7年度(2025年度)にかけて休場していました。これは競技場内部のトラックについての情報で、この記事のテーマである外周のジョギングコースとは別の設備にあたります。とはいえ工事の内容によっては公園全体の動線に影響が出ることもあるため、外周コースを利用する前にも公式サイトで最新の状況を確認しておくと安心です。
競技場に隣接する補助競技場は令和3年4月15日から改修工事が行われていましたが、現在は工事が終わり、予約制のもとで利用できる状態に戻っています。
駐車場の利用時間は原則8時から18時30分まで
上尾運動公園の駐車場は、原則として午前8時00分から午後18時30分まで利用できます。園内の各施設で開場時間が異なる場合があるため、外周コースを走る予定がある日も、この駐車場の利用可能時間内に来園と退園を済ませる意識を持っておくと安心です。
施設全体の利用時間としては、午前8時30分から午後20時30分まで(夜間照明を使わない日は17時まで)という案内もありますが、季節や催事によって変わることがあるので、訪れる前に公式情報を確認しておくのが無難です。駐車場は用途によって進入経路が分かれていて、体育館前の駐車場は国道17号の下り車線側から、陸上競技場北側の駐車場は川越上尾線側からの進入になります。目的の施設に応じて、どちらから向かうかを事前に把握しておくと迷いません。
アクセスはJR上尾駅から徒歩15分かバスで8分
電車を使う場合、最寄り駅はJR高崎線の上尾駅です。上尾駅から公園までは約1.8キロメートル、徒歩でおよそ15分の距離になります。徒歩ではやや距離があると感じる場合は、バスを組み合わせる方法もあります。
車を使う場合は、国道17号沿いにある上尾運動公園交差点(旧愛宕交差点)のすぐそばに位置しているため、道順はわかりやすいはずです。駐車場も複数箇所に用意されていますが、大会が開催される日は混雑したり利用が制限されたりすることがあるため、イベント当日は特に注意しておきたいところです。
以下に、主な移動手段ごとの目安をまとめます。
| 移動手段 | 経路・目安 |
|---|---|
| 電車のみ | JR高崎線上尾駅から徒歩約15分(約1.8キロメートル) |
| 電車とバス | JR上尾駅東口から東武バス「大宮駅東口」行きまたは「吉野町車庫」行きに乗車し、「上尾運動公園」バス停下車後、徒歩約8分 |
| 車 | 国道17号沿い、上尾運動公園交差点(旧愛宕交差点)付近に立地 |
参考情報として、JR高崎線上尾駅から徒歩で向かう場合は経路によって所要時間が異なり、30分程度かかるという案内も見られます。埼玉新都市交通ニューシャトルの丸山駅からも徒歩30分程度でアクセスできるとされていますので、自分の体力やその日の練習メニューに合わせて、徒歩かバスか車か、どれを選ぶか決めるとよいでしょう。
上尾シティハーフマラソンは例年およそ8000人が参加する公認コース
上尾市を代表するランニング大会が上尾シティハーフマラソンです。公道である川越上尾線などをスタート地点とし、上尾運動公園陸上競技場をフィニッシュ地点とする、市内を折り返すコース設定になっています。世界陸連と日本陸連の両方から公認を受けたコースで、記録を狙うランナーからの信頼も厚い大会です。
コースは市街地から緑豊かな郊外へと続き、アップダウンが少なく平坦なつくりになっています。好記録が出やすいコースとして知られていて、箱根駅伝の常連校をはじめとする有力チームや選手も多数参加しているため、トップレベルの走りを間近で見られる機会にもなっています。参加規模は例年およそ8000人にのぼり、埼玉県内でも有数の規模を誇るハーフマラソン大会として定着しています。大会の開催にあわせて、上尾商工会議所を中心に地域の飲食店や商店が「ランナー応援店」として大会を盛り上げる取り組みも行われていて、競技場や公園の外側でも大会を歓迎する空気が広がっています。
上尾みんなのランニングフェスタは家族参加型のファンラン
もうひとつの代表的なイベントが上尾みんなのランニングフェスタです。埼玉陸上競技協会、公益財団法人埼玉県公園緑地協会、東京マラソン財団が連携して開催するファンラン形式のイベントで、誰でも気軽に参加できるマラソン大会というコンセプトを掲げています。
会場は上尾運動公園陸上競技場で、トラックと園内のランニングコースを組み合わせた1周1.25キロメートルの周回コースが使われます。家族や友人とチームを組んでタスキをつなぐ21キロのハーフリレーラン、個人でしっかり走りたい人向けの10キロ個人ラン、小中学生向けの2.5キロキッズ&ジュニアラン、親子で楽しめる1.25キロのファミリーランという4種目が用意されていて、開催年によっては陸上競技場のトラックを使う5000メートルトラックランが加わることもあります。走ることと跳ぶこと、投げることの3種目を体験できる陸上教室も同時に開かれていて、これから陸上競技に触れてみたい子どもたちにも門戸が開かれています。
地域の中学校11校が合同練習に使う陸上競技活動の拠点
上尾運動公園の陸上競技場と補助競技場は、大会会場としてだけでなく、地域に根ざした陸上競技活動の拠点にもなっています。上尾市陸上競技協会の中学部は、上尾市教育委員会が進める新たな地域クラブ活動「AGEO地域クラブ」実証事業(陸上競技)の実施主体団体で、市内の中学校11校の陸上部が行う休日の部活動に対応する形で、上尾運動公園陸上競技場と市内中学校を拠点にした合同練習会を行っています。学校単位の枠を超えて地域全体で選手を育てていく体制がここにはあります。
公認記録会である上尾春季記録会も上尾運動公園陸上競技場で開催されていて、中学生も出場できる大会として、100メートルから3000メートルまでの走種目に加えて、走高跳や走幅跳、砲丸投、円盤投といったフィールド種目まで幅広く実施されています。公認競技場ならではの正確な計測環境のもとで自己記録の更新を目指す選手たちにとって、貴重な機会になっています。
さらに、東京マラソン財団が運営するONE TOKYOの企画として、マラソンや長距離種目のフォーム習得やスピードアップ、失速を防ぐトレーニングを学べるステップアップ講座が上尾運動公園で開かれた実績もあります。走るだけの場ではなく、正しいフォームやトレーニング理論を学べる会場としても選ばれてきたわけで、競技場としての質の高さがうかがえます。埼玉県は陸上王国と称されるほど陸上競技が盛んな地域で、上尾みんなのランニングフェスタの案内でも上尾運動公園陸上競技場がその象徴的な会場として紹介されています。
テニスコートは屋外5面で学生は利用料金が半額
上尾運動公園には屋外テニスコートが5面整備されています。利用は埼玉県の施設予約サービスを通じて行う仕組みで、当日の登録受付は午前9時から午後4時までです。中学生以上の学生が利用する場合は、学生証を提示することで利用料金が半額になる制度もあり、部活動や学生サークルにとっても利用しやすい環境になっています。
体育館、陸上競技場、補助競技場も同じ施設予約サービスを通じて予約する形式で、利用したい日の3か月前の月の初日から事務所窓口で受け付けが始まります。大会や団体利用を計画するなら、この受付開始のタイミングを意識して早めに動く必要があります。公園全体の営業期間は毎年4月1日から翌年3月31日までで、休業日は12月29日から1月3日の年末年始と、毎月1回設定されている施設点検日です。料金の詳細は公式サイトでPDF形式の料金表が公開されているので、事前に目を通しておくと安心です。
桜は3月下旬から4月上旬が見頃
上尾運動公園のランニングコースは、機能面だけでなく季節の変化も楽しめる場所です。園内には桜の木が植えられていて、例年3月下旬から4月上旬にかけて見頃を迎えます。陸上競技場まわりのジョギングコースを桜を眺めながら走れるのは、このコースならではの魅力です。
公園全体が周辺の自然林と一体になるように整備されているため、緑豊かな環境のなかで一年を通してランニングを楽しめます。児童広場には複合遊具のほか、有料のバッテリーカー乗り場(平日は10時から16時、土日祝日は9時から16時の営業)も設置されていて、子ども連れの家族がランニングやスポーツ観戦の合間に立ち寄れる場所にもなっています。走ることを目的にした利用者だけでなく、家族でのお出かけ先を探している人にも向いている公園といえるでしょう。
さいたま水上公園はプール営業終了も散策路は利用できる
上尾運動公園のすぐ隣には、さいたま水上公園があります。もともとは上尾運動公園の拡張地として整備された経緯を持ち、敷地面積はおよそ7ヘクタールです。1971年(昭和46年)に開園した県営初の大型レジャープールとして親しまれてきましたが、プール区域の営業は令和4年(2022年)2月に終了しました。プールとしての営業は終わっているものの、園内の散策路や緑地は引き続き利用できる形で運営されています。
上尾運動公園の陸上競技場外周コース(1周800メートル)と、さいたま水上公園内の散策路を組み合わせれば、変化に富んだ周回コースをつくることもできます。木立の中を走る区間を加えることで、単調になりがちな周回コースのランニングに景観の変化というアクセントを加えられるのは、両公園が隣接しているからこその楽しみ方です。
「スポーツ科学拠点施設」構想で公園東側の再整備が検討されている
上尾運動公園をめぐっては、将来的な再整備の構想も進んでいます。埼玉県は、上尾運動公園のうち国道17号線以東の敷地(さいたま水上公園を含む約24万平方メートルの区域)を対象に、スポーツ科学拠点施設の整備に向けたサウンディング調査を実施しました。これは民間事業者から意見を聴く調査で、隣接するさいたま総合スポーツセンター(土地約1万5000平方メートル、施設約9000平方メートル)とあわせた一体的な提案も想定されています。
この構想ではBOT方式やBTO方式、BOO方式といったPFI手法、あるいはPark-PFI手法を活用して、民間事業者が自立的に運営することが想定されています。宿泊施設や飲食施設といった収益施設の整備で得られる収益を公園の機能向上に還元する仕組みが検討されていて、様々な競技の競技力向上を支える総合的なスポーツ拠点にすることを目指した基本計画が令和5年3月に策定されました。既存の陸上競技場やランニングコースとしての機能を保ちながら、公園全体がより広い役割を担うエリアへ変わっていく可能性があるということです。周辺エリアの整備状況によってはランニングコースの利用環境にも変化が生じることが考えられるため、継続的に利用するつもりなら、最新の整備状況を折に触れて確認しておいたほうがよさそうです。
初心者からタイム狙いのランナーまで使い方が分かれる
上尾運動公園のランニングコースは、走る目的によって向いている使い方が変わってきます。初めてランニングを始める人にとっては、1周800メートルという分かりやすい距離表示があるおかげで、走った距離やペースを把握しやすく、無理のない練習計画を立てやすい環境です。ウレタンチップ舗装で足腰への衝撃も抑えられているので、体への負担が気になる人にも向いています。
一方でタイムを狙う競技志向のランナーにとっては、カーブの緩やかな平坦なレイアウトがインターバル走やペース走に適しています。陸上競技場という本格的な施設に隣接していることもあって、大会や合宿の練習会場として使われてきた実績もあり、トレーニング環境としての質は高いといえます。混雑が少ない環境なので、早朝や平日にじっくり自分のペースで走り込みたい人にも合っています。ランニングだけでなくウォーキングで利用する人も多く、フラットな路面は幅広い年齢層が同じコースを共有しやすい懐の深さを持っています。
上尾運動公園のランニングコースは、埼玉国体に合わせて整備された歴史ある陸上競技場の外周に設けられた、1周800メートルのウレタンチップ舗装コースです。距離表示や反時計回りの走行ルールが整っていて、安全に計画的なトレーニングができる環境が整っています。JR上尾駅から徒歩約15分、国道17号沿いという好立地でありながら混雑が少ない点も、多くのランナーに支持されている理由のひとつでしょう。上尾シティハーフマラソンや上尾みんなのランニングフェスタといった大会も定期的に開かれていて、日常のトレーニングの場であると同時に、地域の陸上競技文化を支える拠点としての役割も担っています。利用時間や駐車場の運用時間、工事や休場の有無といった基本情報を事前に確認したうえで、自分の目的に合わせてこのコースを活用してみてください。








