由布院の金鱗湖ランニングコースは一周400メートル、由布岳も一望

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由布院にある金鱗湖の周りを走るランニングコースは、湖畔をひとまわりするだけならおよそ400メートルです。大分県由布市のこのエリアは由布岳の麓に位置し、山を眺めながら走れる数少ない温泉地のひとつです。距離を伸ばしたい場合は、由布院駅から金鱗湖までの湯の坪街道を往復に組み込むと、3キロメートル前後のコースになります。この記事では、金鱗湖単体の散策路から、温泉街を周回する5キロコース、さらに由布岳登山口までのアクセスまで、走る距離ごとに具体的なルートをまとめました。旅行の合間に体を動かしたい人にも、しっかり山まで足を延ばしたい人にも役立つ内容になっています。

目次

博多から由布院駅までは特急ゆふいんの森で2時間10分前後

由布院を旅ランの目的地にする場合、まず博多からのアクセスを押さえておくと計画が立てやすいです。観光列車のゆふいんの森号を使うと、博多から由布院駅までの所要時間はおよそ2時間10分から2時間12分です。料金は乗車券と指定席特急券を合わせて5690円で、全車指定席のため事前の予約が要ります。

由布院温泉自体は、由布岳をシンボルに、周囲を1000メートル級の山々に囲まれた盆地の中にあります。源泉数はおよそ900にのぼり、湧出量は全国でも上位に入るとされていて、多くは単純温泉やアルカリ性単純温泉に分類されます。温泉地としての規模が大きいぶん、宿泊施設の選択肢も広く、走った後の温泉でのケアもしやすい土地です。

由布院温泉から博多方面への帰りの列車も、同じゆふいんの森号を使えば行きと同じ車窓を逆側から楽しめます。片道2時間程度の移動時間があるからこそ、由布院に着いたらまず金鱗湖まで軽く走って体をほぐす、という過ごし方もおすすめです。座席に長く座った後は、軽いジョグのほうが観光の準備運動としてちょうどよく感じます。

金鱗湖のランニングコースは一周400メートル、往復なら3キロ前後

金鱗湖の周囲には遊歩道が整備されていて、一周はおよそ400メートルです。歩いてもせいぜい十数分で回れる規模なので、ここだけを何往復もするランニングにはあまり向きません。折り返し地点として使うのが現実的です。

由布院駅から金鱗湖まで歩くと、目抜き通りの湯の坪街道を経由してだいたい20分ほどかかります。湯の坪街道自体は白滝橋から金鱗湖方面へ続く約800メートルの通りで、土産物店や飲食店が並んでいます。ランニングのペースなら駅から金鱗湖まではもっと短い時間で着くはずです。駅から金鱗湖まで往復して湖畔を一周する分を足すと、全体でおよそ3キロメートルになります。旅先での足慣らしや、朝の軽いウォーミングアップにちょうどいい距離です。

湯の坪街道は昼を過ぎると観光客でかなり混みます。平日でも朝8時半から10時ごろまでは比較的空いていて、10時から13時にかけて徐々に人が増え、13時から15時は観光バスの到着時間と重なって最も混み合う傾向があります。15時を過ぎると回転が早くなり、駅周辺や湯の坪街道もまた空き始めます。走るなら朝8時台から9時台がねらい目です。人通りが少ないぶん由布岳の姿もよく見えますし、静かな温泉街の空気を独り占めできます。

湯の坪街道と金鱗湖の往復だけでは物足りないなら5キロの周回コースへ

3キロのコースで距離が足りないと感じたら、由布院駅周辺の温泉街をまるごと周回するルートに広げるといいです。駅前には観光辻馬車の乗り場があり、駅から徒歩1分ほどの場所に温泉街らしい雰囲気のスポットが集まっています。ここから湯の坪街道、金鱗湖を経由して、周辺の温泉旅館が並ぶ小道を回って駅に戻ってくれば、5キロメートル前後の周回コースになります。

由布院は盆地に温泉街が広がっていて、周りを由布岳などの山に囲まれています。走っているだけで視界の先にずっと山並みが見えるのは、正直かなり気持ちがいいです。道も平坦な区間が多く、登山のような装備は要りません。ただし観光客や自転車、人力車も通るので、スピードは出さずに周囲に気を配って走る必要があります。

由布岳登山を組み合わせるなら正面登山口から東峰往復で4時間

金鱗湖周辺だけでは物足りない人には、由布岳そのものに挑む選択肢もあります。由布岳は標高1583メートルの活火山で、山頂付近には一等三角点が置かれています。東峰と西峰の二つのピークがあり、山容の美しさから豊後富士とも呼ばれています。

最もよく使われているのが正面登山口からのコースです。登山口から「ごうやごえ」を経て、東峰と西峰の鞍部にあたる「マタエ」まで約1時間50分、マタエから東峰まではさらに約15分です。往復の合計はおよそ4時間が目安になります。見た目の山容は険しく見えますが、東峰までのコースそのものは比較的登りやすいとされています。

由布院駅前バスセンターから亀の井バスの別府湯布院線(36・37系統)に乗ると、由布登山口までは15分から16分、運賃は360円から430円ほどです。正面登山口は由布登山口バス停のすぐそばなので、車を持たない旅行者でも公共交通機関で登山口まで行けます。

ここは走って登る場所ではありません。金鱗湖周辺のランニングとは装備を分けて考えたほうがいいです。ランニングシューズのまま由布岳に入るのはやめて、登山口までは走って向かい、そこから先は登山用の装備に切り替えるのが安全な使い方です。大分県内には由布岳を含めて、鶴見岳・伽藍岳、九重山という3つの活火山があり、いずれも噴火警戒レベルが設定されています。レベルは平常のレベル1から、火口周辺規制のレベル2、入山規制のレベル3、避難準備のレベル4、避難のレベル5まであります。登る前にレベルを確認する習慣をつけておいたほうがいいです。登山届の提出先がわからない場合は、大分県警察本部生活安全部地域課宛てに郵送やファックスで提出できます。活火山であることや岩場が滑りやすいことも考えると、登山届の提出や天候の確認くらいは、普通の登山と同じように済ませておくべきです。

由布岳西峰まで足を延ばすなら、マタエからの鎖場が最大の難所

由布岳を東峰止まりにするか、西峰まで足を延ばすかで難易度はまったく変わります。正面登山口からマタエまでは危険な箇所の少ない一般的な登山道です。ところがマタエから西峰へ向かうと、鎖場と「障子戸」と呼ばれる絶壁の岩場を通ることになり、難易度も危険度も一段跳び上がります。

西峰側は鎖場からいきなり始まります。障子戸では鎖を掴んで垂直に登ってから横にトラバースする箇所があり、体力だけでなく岩場を通過する技術も求められます。最大の難所は障子戸の岩壁にある鎖場で、通称「カニノヨコバイ」と呼ばれています。自信がなければ、無理に西峰まで進まず東峰の往復にとどめておくべきです。西峰まで含めた全体のコースタイムはおよそ5時間20分で、難易度は中級とされていますが、西峰付近の鎖場や岩場だけは上級者向けの内容になっています。

麓から見上げる由布岳は穏やかな双耳峰に見えます。でも実際に登ってみると、どこまで足を延ばすかで難易度がまるで違う山だということがわかります。ランニングやジョギング目的で由布院を訪れているなら、西峰まで挑戦する必要はありません。東峰までの往復か、登山口周辺を眺めるだけの散策で十分楽しめます。西峰への縦走は、登山経験者と一緒に行くか、装備と情報を十分に準備してから計画してください。

西峰と東峰の間には火口があり、この火口をぐるりと回る「お鉢巡り」というコースもあります。西峰から東峰までお鉢を巡る所要時間はおよそ1時間とされていて、火口の北側にある痩せた尾根が最大の難所です。由布岳には東峰と西峰のほかにもう一つ小さなピークがあり、双耳峰と呼ばれる見た目よりも実際の地形は複雑です。お鉢巡りまで含めると登山としての満足度は高くなりますが、その分だけ時間と体力の余裕が必要になります。日帰りで無理なく楽しみたいなら、まずは東峰までの往復をこなしてから、次回以降の目標としてお鉢巡りを考えるくらいがちょうどいいです。

金鱗湖の朝霧は冬の早朝限定、紅葉は10月下旬から11月下旬がピーク

由布院温泉が広がる由布院盆地は標高およそ450メートルで、冬には最低気温が氷点下まで下がる内陸性の気候です。盆地の底には冷えた空気がたまりやすく、これが冷気湖と呼ばれる状態になって気温を押し下げます。冷えた空気の中では水蒸気が凝結しやすく、放射霧と呼ばれるタイプの霧がよく発生します。金鱗湖には温泉が流れ込んでいて、年間を通じて水温が比較的高く保たれています。そのため寒い時期の早朝には、冷えた盆地の空気と温かい湖面の温度差によって、湖面から湯気のような朝霧が立ち上ることがあります。この朝霧が見られるのは冬の早朝に限られます。日の出前後の時間帯に金鱗湖へ向かうと、観光客が少ない状態で、霧が立ち込める景色をゆっくり眺められます。ただし早朝は路面が凍っている場合もあるので、ペースを落として足元を確認しながら走ったほうがいいです。

紅葉のシーズンは例年10月下旬から11月下旬で、ピークは11月上旬から中旬にかけてです。遊歩道を歩きながら、赤や黄色に色づくカエデやモミジが湖面を染める様子を見られます。ゆっくりしたペースで湖畔を走ると、色づいた木々と湖面、その奥に控える由布岳の山並みを一度に眺められます。新緑の時期も金鱗湖の魅力の一つで、同じコースでも季節ごとにまったく違う景色になるのが、このエリアを走る一番の楽しみです。

由布院ランニングのベストシーズンは春と秋、朝晩の気温差には要注意

由布院のベストシーズンは春(4月から5月)と秋(10月から11月)です。この時期は気候が比較的落ち着いていて、観光にもランニングにも適しています。特に秋は紅葉と合わせて由布岳や金鱗湖の景色を楽しみながら走れます。

一方で由布院は盆地特有の気候で、朝晩の気温差がかなり大きいです。10月ごろでも朝晩は冷え込むので、軽いジャケットくらいは用意しておいたほうがいいでしょう。冬になると冷え込みはさらに強まり、ダウンコートや手袋、帽子が要るレベルになります。ランニングウェアも、日中の観光時と早朝・夜間の気温差を踏まえて、着脱しやすい服装で調整するのがおすすめです。

走った後は湯の坪街道の食べ歩きで補給、由布院プリンや金賞コロッケが定番

ランニングの後に立ち寄りたいのが、湯の坪街道の食べ歩きグルメです。湯の坪街道は由布院駅から徒歩5分から10分ほどの場所にあり、大分の特産品を扱う土産物店をはじめ、スイーツやグルメ、雑貨店が軒を連ねています。

代表的なのは、全国コロッケコンクールで金賞を受賞した「金賞コロッケ」と、大分名物のとり天です。とり天は、鶏肉に衣をつけて揚げた大分県の郷土料理で、天つゆではなく練りからし入りの酢醤油やポン酢で食べるのが一般的です。発祥には別府市の老舗レストランが考案したという説と、大分市の店が考案したという説の2つがあり、どちらも昭和の時代から親しまれてきた料理です。湯の坪街道ではどちらも熱々の状態で提供している店があり、走って消費したエネルギーをその場で補給できます。スイーツなら、瓶入りで持ち歩きやすい由布院プリンや、ふわとろ食感のチーズケーキ、地元産の卵や小麦を使ったどら焼きも選べます。

湯の坪街道は昼頃から観光客でかなり賑わいます。ランニングを兼ねて訪れるなら、午前10時から11時ごろの早い時間帯を狙うと、混雑を避けてゆっくり店を回れます。早朝に金鱗湖周辺を走って、その後の朝食や小休憩として湯の坪街道で食べ歩きをする流れは、由布院らしい一日の過ごし方です。

金鱗湖周辺の神社仏閣を回れば、記録より景色重視のジョグになる

金鱗湖以外にも、由布院には自然景勝地や神社仏閣が点在しています。代表的なのが宇奈岐日女神社です。国常立尊をはじめとする六柱を祭神とすることから「六所宮」とも呼ばれ、古くから地元の人に親しまれてきました。由布院はもともと弥生時代以来の遺跡を持つ沼地で、土地の開墾には治水が大きな課題だったとされています。水の精霊として鰻を祀ったことが「宇奈岐日女」という名前の由来になったという説もあります。宇奈岐日女神社は観光辻馬車の停留所にもなっていて、由布院観光の名所の一つです。観光辻馬車は由布院駅前を出発し、佛山寺と宇奈岐日女神社を経て駅に戻る、所要時間およそ50分のコースです。運行期間は3月2日から12月までで、1月と2月、3月1日は運休になります。料金は大人1名2200円、小学生以下は1650円です。走って巡ったのと同じルートを、帰りは馬車でゆっくり眺め直すという楽しみ方もできます。

金鱗湖のほとりには天祖神社もあります。読み方は「てんそじんじゃ」で、古くからこの土地に根付いてきた神社です。このほかにも佛山寺や西連寺といった神社仏閣が点在しています。金鱗湖や湯の坪街道を中心にしたルートに、これらの寺社をつなぐ小道を組み合わせると、記録や距離を追い求めるランニングというより、土地の歴史と雰囲気を味わうジョグになります。派手なアップダウンはありませんが、鳥居や参道、古い町並みを眺めながら走れるのはこのエリアだけの魅力です。神社仏閣の由来を一つずつ調べながら走ると、同じ金鱗湖周辺でも普段の周回とは違う発見があります。急ぎ足で通り過ぎるより、由布院に一泊した朝や、帰りの列車までの時間が空いたときに、ゆっくりしたペースで回るのに向いているルートです。

由布市のゆふいんSPA健康リレーマラソンは21キロのリレーと6キロ・9キロの個人戦

由布院エリアでは、ランナー向けの大会も定期的に開催されています。代表的なのが「ゆふいんSPA健康マラソン大会」で、現在は「ゆふいんSPA健康リレーマラソン」として続いています。2025年の第33回大会は3月16日、由布市湯布院スポーツセンターのジョギングコースを会場に行われました。

種目はリレーマラソンの部が21キロメートル、個人マラソンの部が6キロメートルと9キロメートルです。参加料は高校生以上が3000円、小中学生が2000円でした。参加賞として記念タオルとスポーツドリンクが用意され、豊後牛や宿泊補助券が当たる抽選会もあります。過去には元陸上競技選手がゲストランナーとして参加した回もあったそうです。観光地らしく、大会そのものにアフターイベントの要素があるのが特徴です。

大会会場になる湯布院スポーツセンターのジョギングコースは、金鱗湖や由布院駅周辺の観光ルートとは別に整備された、日常的な練習用の施設です。観光目的のランニングとは別に、しっかりしたトレーニングをしたい人はこちらも候補になります。大会の日程やコース図、参加申し込みについては、由布市の公式サイトや大会公式サイト、スポーツエントリーのような大会情報サイトで確認するのが確実です。

由布市は2005年に湯布院町・庄内町・挾間町が合併して誕生

金鱗湖や由布岳がある由布院は、行政区分としては大分県由布市に含まれます。由布市は2005年10月に湯布院町、庄内町、挾間町の3町が合併して誕生した市で、人口はおよそ3万5千人、面積は319.16平方キロメートルです。大分県のほぼ中央に位置していて、北部には由布岳と城ヶ岳、南部には黒岳や花牟礼山など標高の高い山々がそびえています。市の中央部を流れる大分川沿いの平地に市街地が集まっていて、由布院温泉、湯平温泉、塚原温泉といった複数の温泉地を抱えています。

このうち観光の中心になっているのが旧湯布院町エリアで、由布院温泉や金鱗湖、湯の坪街道もこの範囲に入ります。同じ由布市でも、大分市のベッドタウンとして発展してきた挾間や、大分川沿いの農業地帯として栄えてきた庄内とは、街の成り立ちがかなり違います。ランニングで訪れるなら、この温泉エリアに絞って計画すれば十分です。

距離別に見る由布院・金鱗湖ランニングコースの選び方

由布院で走るコースは、目的によって選び方が変わります。次の表に距離とかかる時間の目安をまとめました。

コース距離の目安主な内容
金鱗湖一周約400メートル折り返し地点、朝霧や紅葉狙いの短時間ラン
由布院駅から金鱗湖往復約3キロメートル湯の坪街道を経由、旅先の足慣らしに向く
温泉街周回コース約5キロメートル駅前から温泉旅館街を回る、平坦で走りやすい
由布岳正面登山口(東峰往復)往復約4時間登山装備が必要、ランニングとは別枠で計画

短時間で済ませたいなら金鱗湖一周と湯の坪街道の往復で十分です。旅の運動量を増やしたいなら温泉街の周回コースに広げます。由布岳まで含めるかどうかは、登山として別に時間を確保できるかで決めるのが実用的です。

由布市は大分県にあり、九州地方の中でも由布岳と金鱗湖を中心にした温泉観光地として知られています。走る距離を選べば、朝の短いジョグから、由布岳登山を組み合わせた一日がかりのアクティビティまで、同じエリアで幅広く楽しめます。

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