高松・屋島を一周するランニングコースはアップダウンが本格的

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屋島を一周するランニングコースは、香川県高松市の海沿いと坂道を交互に走る、距離12キロから15キロほどのコースです。海沿いの平坦区間と急な坂道が繰り返し現れるため、アップダウンの負荷は本格的で、初心者よりも中級者以上のランナーに向いています。この記事では、屋島を一周するコースの距離とアップダウンの特徴、山上エリアの別ルート、アクセスや給水ポイント、歴史や展望スポットまで、高松でランニングを楽しむために知っておきたい情報をまとめました。

目次

屋島を一周するコースの距離は12〜15キロ、代表値は14.8キロ

屋島を一周する海沿いのロードコースは、距離にして約12キロから15キロです。情報源によって数字に幅がありますが、代表的な数値として約14.8キロというデータもあります。車の交通量が比較的少なく、走りやすい環境が整っています。

このコースの核心は、名前の通りアップダウンにあります。屋島は急な崖に囲まれた溶岩台地で、一周するコースには海沿いの平坦な区間と、坂道が続く区間が交互に現れます。海と山、両方の景色を感じながら起伏を楽しめる構成で、平坦なロードだけでは得られない負荷とバリエーションが魅力です。

初心者向けというより、中級者以上のランナーに向いたコースという評価が一般的です。ある程度の走力や脚力があるランナーが、フルマラソンやトレイルランに向けたアップダウン練習として活用するケースが多く見られます。平坦なコースに飽きたランナーや、坂道への耐性をつけたいランナーにとっては、絶好のトレーニングフィールドになります。

突端の長崎の鼻から高松市街と小豆島を一望

一周コースの見どころのひとつが、屋島の突端に位置する長崎の鼻です。ここからは高松市内を一望でき、天候に恵まれた日には小豆島まで見渡せます。ランニングの途中で足を止めて景色を楽しめるビュースポットとして、コースのアクセントになっています。単調になりがちな長距離走のなかに、こうした眺望ポイントが点在していることは、走り続けるモチベーションを保つうえでも大きな助けになります。

山上エリアには初心者向けの往復4.6キロコースもある

屋島には、麓を一周するロードコースとは別に、山上エリアを走るトレイルランニングコースも整備されています。香川県高松市「屋島」の公式観光情報サイトでは、トレイルランナー向けのモデルコースが紹介されています。

代表的なコースが、屋島山上観光駐車場から遊鶴亭までの往復約4.6キロです。なだらかな斜面が中心で走りやすく、ビギナーでも安心して楽しめます。出発地から山に入るまでの最初の300メートルほどは整備された緩やかな舗装道が続くため、いきなり本格的な山道に入るわけではありません。コースの途中にはベンチや休憩所も設けられており、無理のないペースで景色を楽しみながら走れます。

もう少し歩きごたえのあるコースとしては、屋島南嶺(標高292メートル)を中心に、冠ヶ嶽や屋島北嶺を含む約6キロの周回コースがあります。アップダウンは少なく舗装された道が多いため、ファミリーでも楽しめる設定です。

全山行ルートは累積標高495メートル、所要時間3時間30分

本格的な全山行ルートでは、歩行距離約10キロ、累積標高差495メートル、歩行時間の目安は約3時間30分というデータがあります。麓の一周コースとはまた違った負荷がかかるルートで、しっかりとしたトレーニングを積みたいランナーやハイカーに向いています。

山上コースを走る際にひとつだけ注意したいのが、北嶺方面へ向かう分岐です。林の中に入っていく階段がありますが、落ち葉などで見えにくくなっていることがあるため、見逃さないよう注意が必要です。初めてこのエリアを走る場合は、事前に地図やコース情報を確認しておくと安心です。

坂道トレーニングは心肺機能と脚力を同時に鍛えられる

坂道を走ると、平地に比べて心臓や肺への負担が増え、心拍数が上がりやすくなります。この負荷が心肺機能を効率よく強化する土台になります。屋島の一周コースのように上り下りが連続するフィールドは、短時間でも高い負荷をかけられる点が練習として優れています。

坂道では、平地よりも筋肉にかかる負荷が高くなります。特にお尻や股関節まわりの筋肉が使われやすく、ランニングフォームの安定にもつながります。上り坂を中心にしたトレーニングは膝への負担が比較的少なく、故障のリスクを抑えながら脚力を強化できる点もメリットです。

フルマラソンやハーフマラソンでは、レース終盤に疲労がたまった状態でも粘り強く走り続ける力が求められます。坂道でのトレーニングを重ねることで、こうした後半の失速を防ぐ持久力が養われます。屋島の一周コースを繰り返し走り込むランナーが多いのは、平地の練習だけでは得にくいこうした効果を、海沿いの景色を楽しみながら実感できるからです。

アクセスは高松市中心部から車で20分、電車ならシャトルバスも使える

屋島へのアクセスは、車と鉄道のどちらでも比較的良好です。車の場合、高松市中心部から屋島山上まで約20分で着きます。鉄道の場合は、琴電(高松琴平電気鉄道)屋島駅、またはJR屋島駅が最寄り駅です。駅からは屋島山上シャトルバスが運行しているため、公共交通機関だけでも山上エリアへアクセスできます。

一周コースを走る場合は麓の平地部分をぐるりと回ることになるため、車で訪れるなら周辺の駐車場に車を停めてスタートするのが一般的です。ことでん屋島駅周辺にも駐車場が点在しており、電車でアクセスして駅周辺に車を置く、あるいは公共交通機関のみで訪れることもできます。

駐車場は20分を超えると有料、給水は自販機で確保できる

トレイルランニングコースの出発地としてよく利用されるのが屋島山上観光駐車場です。この駐車場は20分以上の駐車で料金が発生する仕組みになっているため、事前に把握しておきたいポイントです。

水分補給については、屋島山上観光駐車場に自動販売機が設置されているため、事前に水を用意していなくても現地で購入できます。ただし、トレイルランやアップダウンの多いランニングでは、走る距離や季節、天候に応じて500ミリリットルから1リットルほどの水分を携帯することが推奨されています。夏場や日差しの強い時間帯に長時間のアップダウンコースを走る場合は、熱中症対策として給水計画をしっかり立てておくことが重要です。

麓の一周コースは住宅地やコンビニエンスストアが点在するエリアも通るため、こまめな休憩や補給がしやすい環境が整っています。ただし坂道区間や海沿いの区間では店舗が少なくなる場合もあるため、事前にルート上の補給ポイントを確認しておくと安心です。

香川県高松市屋島西町には「やしま第一健康ランド」というランニングステーション的な施設もあります。ランニング情報サイト「ラントリップ」でも紹介されており、着替えやシャワーの利用を考えているランナーにとっては拠点候補のひとつになります。

屋島の戦いと那須与一の扇の的、走りながら触れる古戦場の歴史

屋島は、平安時代末期に起きた源平合戦のひとつ「屋島の戦い」の舞台です。元暦2年(1185年)2月、源義経が四国に向けて出陣し、屋島で平家軍との戦いが繰り広げられました。この戦いは『平家物語』に描かれ、日本の歴史と文学のなかでも特に有名なエピソードの舞台になっています。

なかでもよく知られているのが「扇の的」の逸話です。平家軍は小舟に美しい女性を乗せ、竿の先に扇を掲げて「射てみよ」と源氏側を挑発したと伝わります。源義経はこの挑発に応じ、那須十郎を経て弟の那須与一に的を射るよう命じました。那須与一が見事に扇を射抜いたとされるこの場面は、教科書や国語の授業でも取り上げられる名場面として、今も語り継がれています。

もっとも、近年の研究では「扇の的」のエピソードが史実として実際にあったのかどうか、疑問視する見方もあるようです。それでも、物語としての完成度の高さと文化的な意義から、屋島の戦いを象徴するエピソードとして広く親しまれている点は変わりません。

一周コースを走りながらこうした歴史的背景を思い浮かべると、単なる運動の場としてだけでなく、歴史散策としての楽しみ方もできます。コース周辺には屋島古戦場に関連する史跡も点在しており、走りながら、あるいは休憩がてら立ち寄ることもできます。

屋島は歴史だけでなく自然景観の面でも早くから評価されてきた場所です。瀬戸内海国立公園は1934年3月16日、日本で最初の国立公園として指定されました。当時の指定区域は瀬戸内海沿岸のごく限られたエリアに絞られており、香川県の屋島はその最初期の指定地域のひとつに含まれていました。一周コースを走る足元には、90年以上にわたる自然保護の歴史も積み重なっています。

獅子の霊巌の夕夜景と談古嶺から見る古戦場の眺め

屋島には屋島三大展望台と呼ばれる複数のビュースポットがあります。なかでも代表的なのが獅子の霊巌と談古嶺です。

獅子の霊巌は夕日の名所として知られ、日本の夕陽百選にも選ばれています。夕焼けが途切れることなくそのまま夜景へ移り変わっていく、いわゆる夕夜景が楽しめる希少なスポットで、カップルにも人気です。高松港を中心とした市街地の夜景は光の量の観点でも評価が高く、日本夜景遺産にも認定されています。

談古嶺は南嶺エリアに位置する展望スポットで、源平合戦の屋島古戦場を見下ろせます。東側にそびえる山並みも望めるため、歴史に思いを馳せながら景色を楽しめる場所です。

これらの展望スポットは一周コースや山上コースのルート上、あるいはそこから少し立ち寄れる位置にあることが多く、ランニングの休憩ポイントとしても使いやすい配置です。夕方に走り始めて獅子の霊巌で夕夜景を楽しむという走り方も、屋島ランニングの楽しみ方のひとつです。

屋島寺は四国霊場で唯一鑑真が開いた第84番札所

屋島山上には、四国八十八ヶ所霊場の第84番札所である屋島寺があります。屋島寺は四国霊場のなかでも鑑真和上によって開かれた唯一の寺院として知られ、歴史的な価値が高い寺院です。

お遍路の巡礼道としても知られる屋島寺参道は、自然に囲まれたトレッキングルートとしても親しまれており、弘法大師にゆかりのあるスポットを巡りながら歩けます。ランニングコースとしてこのエリアを走る場合、単なる運動としてだけでなく、四国遍路という文化的な文脈のなかに身を置く体験にもなります。

屋島山上源平タートルマラソンなど大会も定期開催されている

屋島は個人のランニングコースとしてだけでなく、実際に大会やイベントの舞台にもなっています。代表的な大会が屋島山上源平タートルマラソン全国大会です。すでに29回を超える開催実績を持つ歴史あるレースで、屋島山上と屋島東町を舞台に、地元ランナーだけでなく全国から参加者が集まる大会として定着しています。

屋島GENPEIリレーマラソンは、屋島レクザムフィールド(高松市屋島競技場)を舞台としたリレー形式の大会です。3人から10人でチームを編成し、1周約2キロのコースをたすきでつなぎながら、22キロ、あるいはフルマラソンに相当する42.195キロを走破する仕組みです。チームで参加できる手軽さと、屋島という舞台の特別感を両立したイベントとして人気を集めています。

このほかにも、著名なランナーが主催する駅伝型のランニングイベントが屋島レクザムフィールド内で開催されるなど、1.9キロ×8区間というユニークな構成の大会もあります。個人で一周コースを走るだけでなく、こうした大会にエントリーして仲間と屋島を走るという楽しみ方も広がっています。普段は麓の一周コースやアップダウンコースを個人で走り込みつつ、大会の開催時期に合わせて目標を設定するランナーも少なくないようです。

ラン後は早朝営業の讃岐うどん店や四国村に立ち寄れる

屋島を一周するランニングを終えたあとの楽しみとして、周辺のグルメスポットや観光施設への立ち寄りも見逃せません。

麓のエリアには朝6時30分から営業している製麺所があり、早朝ランニングを終えたあとにそのまま讃岐うどんで朝食を済ませる、高松らしい楽しみ方ができます。このほか、レトロな雰囲気のカフェや、ピザが評判のレストランなど、ランニング後の休憩や補給に使える飲食店が周辺に点在しています。

観光施設としては新屋島水族館が屋島山上エリアにあり、ランニングやハイキングと合わせて立ち寄る観光客も多いスポットです。周辺には食事処も集まっており、コース終盤や折り返し地点として組み込むランナーもいます。

少し足を延ばせば、四国村(四国民家博物館)も屋島エリアの見どころのひとつです。約5万平方メートルの敷地に、江戸時代から大正期にかけて四国各地で建てられた古民家や歴史的建造物が移築、展示されており、野外博物館として散策を楽しめます。敷地内には神戸から移築された洋館を利用した喫茶店もあり、コーヒーを飲みながらひと息つけます。ランニングと合わせてこうした歴史的な建造物群を巡る散策を組み合わせれば、屋島エリアでの一日をより充実したものにできます。

かつて屋島ケーブルが山頂まで5分で結んでいた

屋島の坂道を走っていると想像しにくいですが、かつて屋島には登山用のケーブルカー、屋島登山鉄道屋島ケーブルが存在しました。屋島登山口駅から屋島山上駅までを結ぶ路線で、1929年(昭和4年)に開業しています。戦時中は不要不急線として一時休止したものの、1950年に運行を再開しました。

1961年(昭和36年)に屋島ドライブウェイが開通するまで、山上へ向かう唯一の動力による登山手段で、徒歩なら1時間ほどかかる道のりをわずか5分で結んでいたそうです。ドライブウェイの開通で一時的な賑わいを見せた時期もありましたが、その後は車での来訪が主流になって利用者が減少し、2004年10月に運営会社が自己破産を申請、同月15日の運行を最後に休止しました。

現在、屋島山上へは車やシャトルバス、そして自らの脚で坂道を登るランナーやハイカーによってアクセスされています。かつて5分で駆け上がっていたケーブルカーの代わりに、アップダウンを自分の足で刻みながら山上を目指すことになります。そんな歴史の変遷を知ったうえで坂道を走ると、屋島というフィールドへの見方が変わってきます。

走る時間帯は早朝か夕方、季節は春と秋が走りやすい

瀬戸内海に面した屋島は、夏場は日差しが強く、坂道の多い一周コースでは体力の消耗が激しくなりやすい場所です。暑い時期に走る場合は、早朝や夕方など気温が比較的落ち着いた時間帯を選ぶことをおすすめします。前述の通り、水分補給の計画も欠かせません。

夕方から夜にかけて走る場合は、獅子の霊巌からの夕夜景を楽しめるタイミングでもあり、景色を目的のひとつに据えたランニングプランを立てることもできます。ただし、山道や坂道を含むコースを夜間に走る場合は、足元の視界を確保するライトの携行と、路面状況への注意がより一層重要になります。

春や秋など気候が安定した時期は、長距離のアップダウンコースを走るのに特に適したシーズンです。瀬戸内海特有の穏やかな気候と、海と山の両方の景色を同時に楽しめる立地は、他のランニングコースにはない屋島ならではの魅力です。

屋島を一周するランニングコースはレベル別に4通りの走り方がある

屋島でのランニングは、走力やその日の目的に応じてコースを選び分けられる点が大きな魅力です。景色を楽しみながらゆったり走りたい場合は、屋島山上観光駐車場から遊鶴亭までの往復約4.6キロコースが向いています。アップダウンの少ない周回で足慣らしをしたい場合は、屋島南嶺を中心とした約6キロの周回コースが選択肢になります。しっかりとしたアップダウン負荷を求めるなら、麓を一周する約12キロから15キロのロードコースに挑戦する価値があります。本格的なトレーニングやトレイルランを目指す場合は、累積標高495メートルの全山行ルートが候補になります。

こうして選択肢を並べると、屋島は標高292メートルのひとつの山でありながら、目的やレベルに応じて複数の走り方ができる懐の深いフィールドだとわかります。フルマラソンに向けたアップダウン耐性づくりのために麓の一周コースを繰り返し走り込むランナーもいれば、トレイルラン大会に向けて本格的な山道を走り込むランナーもいます。

海沿いの平坦な区間で呼吸を整え、坂道の区間で心拍数を上げる、この繰り返しこそが屋島を一周するコースならではのリズムです。景色と歴史と負荷が同時に手に入るフィールドは、そう多くはありません。高松を訪れる機会があれば、まずは自分の走力に合ったコースから、屋島のアップダウンを試してみてください。

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