福島県福島市にあるあづま総合運動公園は、「公園ラン&ウォークステーション」として整備された東北有数のランニング・ウォーキング拠点です。総面積約100ヘクタールの広大な敷地には、無料で利用できるコインロッカーや格安のシャワー設備を備えた体育館があり、ランナーやウォーカーが快適に運動を楽しめる環境が整っています。吾妻連峰の雄大な自然を背景に、舗装された周回コースから室内ランニングコース、さらには不整地のクロスカントリーコースまで多彩なコースが用意されており、初心者から上級者まで幅広いレベルの方に対応しています。
この公園は東京2020オリンピック競技大会で野球・ソフトボール競技の会場となった県営あづま球場を有することでも知られていますが、日常的な健康づくりの場としての機能も充実しています。福島県都市公園・緑化協会が推進する「公園ラン&ウォークステーション」事業により、単なる場所の提供にとどまらず、利用者のスポーツ活動の機会創出を目的としたソフト・ハード両面の整備が行われています。この記事では、あづま総合運動公園のジョギングコースの特徴や施設の利用方法、周辺の温泉・グルメ情報まで詳しくお伝えします。

あづま総合運動公園「公園ラン&ウォークステーション」とは
あづま総合運動公園の「公園ラン&ウォークステーション」とは、公園を単なるスポーツ施設としてだけでなく、ランナーやウォーカーが快適に運動できる総合的な拠点として整備する事業のことです。福島県都市公園・緑化協会が推進するこの取り組みにより、更衣室やロッカー、シャワーといった設備が充実し、手ぶらで来園してもランニングやウォーキングを楽しめる環境が実現しています。
公園は一級河川である荒川の清流沿いに広がっており、吾妻連峰の雄大な山並みを望みながら運動できる点が大きな魅力となっています。総面積約100ヘクタールという広大な敷地には、舗装された周回コースだけでなく、芝生や土の不整地コース、さらには全天候型の室内コースまで揃っています。季節や天候、トレーニングの目的に応じてコースを選べるため、年間を通じて継続的な運動習慣を維持しやすい環境といえるでしょう。
特筆すべきは、これらの充実した設備を非常にリーズナブルな価格で利用できる点です。コインロッカーは100円玉を投入するリターン式で実質無料、シャワーも130円または100円という低価格に設定されています。民間のランニングステーションでは数百円の利用料がかかることが一般的ですが、あづま総合運動公園では初期費用を抑えながら本格的なトレーニング環境を利用できます。
あづま総合体育館のランニングステーション機能
ランニングやウォーキングを快適に行うためには、着替えや荷物の保管、運動後の汗を流すための拠点が欠かせません。あづま総合運動公園においては、公園の中核施設であるあづま総合体育館がその役割を担っており、事実上の「高規格ランニングステーション」として機能しています。
施設へのアクセスと利用時間
あづま総合体育館は公園の中央エリアに位置しており、ランナーのベースキャンプとして最適な立地となっています。車での来園が非常に便利で、東北自動車道「福島西IC」から約10分、「福島大笹生IC」からは約15分で到着できます。駐車場は公園全体で約2,600台が確保されており、体育館周辺にも十分な駐車スペースがあるため、車に荷物を積んで来園し、館内で着替えて走るというスタイルが定着しています。
公共交通機関を利用する場合は、JR福島駅東口からバスで約30分、「あづま総合体育館」バス停で下車となります。利用可能時間は通常9時から21時までとなっており、仕事終わりのナイトランにも対応可能です。ただし、毎週火曜日が休園日となっている点には注意が必要です。火曜日が祝日の場合は翌平日が休園となります。また、年末年始の12月29日から1月3日も休園となりますので、訪問前にスケジュールを確認することをおすすめします。
更衣室とロッカー設備の詳細
あづま総合体育館には、メインアリーナとサブアリーナの双方に更衣室が設置されており、どちらもランナーが利用可能です。メインアリーナ側の男子更衣室には63個のロッカー、女子更衣室には64個のロッカーが設置されています。女子更衣室には授乳室も併設されており、産後の体力戻しを目指す方にも配慮された設計となっています。
サブアリーナ側はさらにキャパシティが大きく、男子更衣室には146個、女子更衣室には138個ものロッカーが完備されています。大規模な大会と重ならない限り、ロッカーが不足することは考えにくい充実ぶりです。合計すると男女合わせて400個以上のロッカーがあり、混雑時でも安心して利用できます。
ロッカーの利用システムについて特筆すべきは、使用料が実質無料という点です。利用時には鍵をかけるために100円硬貨を投入する必要がありますが、使用後に鍵を開けると100円が返却される「リターン式」が採用されています。このため、ロッカー代として支出が発生することはありません。ただし、100円玉を持参していないと利用できないため、訪問の際は必ず100円玉を用意しておくことが重要です。万が一忘れた場合は、自動販売機で飲み物を購入するなどして両替する必要があります。
シャワー設備と料金体系
運動後のリフレッシュに欠かせない温水シャワーについても、非常にリーズナブルな価格設定がなされています。メインアリーナとサブアリーナで料金体系が異なるため、利用シーンに応じた使い分けがおすすめです。
メインアリーナには男女各6室のシャワーブースがあり、料金は1人1回につき130円です。時間制限に関する明確な規定がないため、焦らずにしっかりと汗を流したい場合や、冬場に体を温めたい場合にはこちらが適しています。一方、サブアリーナにも男女各6室のシャワーブースが設置されており、こちらは「コインシャワー形式」で10分につき100円という料金設定です。サッと汗を流すだけであれば、サブアリーナの方が30円安く済みます。
どちらの施設を利用する場合でも、シャンプーやボディソープ等のアメニティは用意されていないため、持参が必要です。また、シャワー利用の際にも小銭が必要となりますので、ロッカー用の100円玉とは別に小銭を準備しておくと安心です。
あづま総合運動公園のジョギング・ウォーキングコース
あづま総合運動公園の魅力は、その広大な敷地と変化に富んだ地形を活かした多様なコース設定にあります。初心者から上級者、さらにはトレイルランニングの入門まで、あらゆるレベルのランナーを受け入れる懐の深さが特徴です。
イチョウ並木コースの魅力
あづま総合運動公園を象徴する景観であり、ランナーにとっても特別なコースとなるのがイチョウ並木です。公園の中央園路には、長さ約520メートルにわたり116本のイチョウが植栽されています。往復すれば約1キロメートルの直線コースとなり、インターバルトレーニングやウィンドスプリント(流し)を行うのに最適な距離感です。路面は舗装されており、平坦で走りやすい環境が整っています。
例年10月下旬から11月上旬にかけて、イチョウの黄葉が見頃を迎えます。この時期には「イチョウ光のプロムナード」として、夜間17時から20時頃まで美しいライトアップイベントが開催されます。黄金色に輝くトンネルの中を走る体験は、他の場所では味わえない特別なものです。ただし、この期間は多くの観光客や家族連れで賑わうため、本格的なスピードトレーニングは避け、景色を楽しむジョギングやウォーキングに徹するのがマナーといえるでしょう。また、足元には銀杏が落ちている場合があるため、スリップやシューズの汚れには注意が必要です。
全天候型の室内ランニングコース
雨天や降雪のある冬場、あるいは夏の猛暑日など、屋外での活動が困難な場合に重宝するのが、あづま総合体育館内にある室内ランニングコースです。体育館の内部に1周242メートルの周回コースが設定されており、天候に左右されることなくトレーニングを継続できます。床材は屋内競技仕様であり、足への衝撃が比較的少ないのが特徴です。
この室内コースにはペースメーカー設備も導入されています。設定したスピードに合わせて床のランプが点滅するシステムで、ペース感覚を養うトレーニングにも活用できます。特筆すべきは、この室内コースの個人利用が無料という点です。入館料なしで利用できるため、雨の日でも気軽にトレーニングを行えます。利用時間は9時から21時までですが、大会開催時などはコースが使用できない場合があるため、事前に公式サイトや電話で確認することをおすすめします。
屋外ジョギングコースの特徴
公園内には、管理事務所によって推奨されている3キロメートルや5キロメートルのジョギングコースが設定されています。これらのコースは基本的にアスファルトやインターロッキングで舗装されており、信号や車両の通行を気にすることなく走り続けることができます。
公園全体が自然林を含んでいるため、コースの随所に木陰があり、夏場でも比較的涼しく走ることができます。利用者からは「アップダウンはほぼなく、風通りも心地よい」という評価があり、初心者でも安心して挑戦できるコースです。一方で、公園が吾妻連峰の裾野に位置しているため、コース取りによっては緩やかな勾配が含まれます。これを活かして、負荷を調整しながらのトレーニングも可能です。
周回コースとして設定されているため、信号待ちで脚を止める必要がなく、一定のペースでの走り込みに最適です。距離表示も設けられており、ペース管理がしやすい環境となっています。
不整地・クロスカントリーコース
脚づくりや体幹強化を目指す中上級者ランナーには、舗装されていない「不整地」を走るコースがおすすめです。公園は荒川に面しており、川沿いには自然豊かなコースが広がっています。ここでは過去に「あづま荒川クロスカントリー大会」が開催されており、芝生や土の上を走ることで、ロードとは違った刺激を身体に入れることができます。吾妻連峰の山並みと清流を眺めながらのランニングは、精神的なリフレッシュ効果も期待できます。
公園内の「トリムの森」エリアは、アカマツの自然林の中に25種類のアスレチック遊具が点在するエリアです。起伏に富んだ地形をしており、木の根や土の路面を走るため、「プチ・トレイルランニング」の体験が可能です。トレイルランの入門編として、あるいは敏捷性を養うトレーニングの場として活用できます。ただし、夜間は照明がないため、利用は日中に限定されます。
フライデー・パークランで仲間と走る
あづま総合運動公園は、個人で走るだけでなく、コミュニティに参加して楽しむ機会も提供しています。その代表例が「フライデー・パークラン」です。
フライデー・パークランは、あづま総合運動公園において平日の夕方に開催されるランニングイベントです。福島大学トラッククラブ等が運営協力を行っており、小学生以上であれば誰でも参加できます。補助陸上競技場をスタート・ゴールとし、公園内の特設コース(1周1マイル=約1.6キロメートル)を周回する形式で実施されます。参加者は希望に合わせて1周、2周、3周のカテゴリーにエントリーできるため、自分の体力や目標に合わせた参加が可能です。
参加費は500円と安価で、スポーツ飲料や保険代が含まれています。単に走るだけでなく、タイム計測が行われたり、参加賞が用意されたりと、手軽に大会気分を味わえるのが魅力です。また、イベント終了後には補助陸上競技場がナイター点灯され、クールダウンや自主練習に開放されることもあります。仕事帰りや学校帰りに、仲間と共に汗を流す「サードプレイス」としての機能も果たしており、ランニング仲間を見つけたい方にもおすすめのイベントです。
運動後のリカバリー環境と周辺温泉情報
ランニングの楽しみは走ることだけではありません。運動後の「リカバリー(回復)」と「栄養補給」も重要な要素です。あづま総合運動公園周辺には、疲れた体を癒す温泉施設が点在しています。
あづま温泉の閉館と代替温泉のご案内
かつて公園のすぐ近くにあり、多くのランナーに利用されていた日帰り温泉施設「あづま温泉」については、現在閉館しています。インターネット上には古い情報が残っている場合がありますので、訪問の際はご注意ください。しかし、福島市は温泉の宝庫であり、公園から車で10分から20分圏内には全国的に有名な温泉地が存在します。
土湯温泉でリフレッシュ
公園から国道115号を西へ車で約10分から15分ほど進んだ場所にあるのが土湯温泉です。「こけしの里」としても知られる歴史ある温泉地で、泉質は多様です。単純温泉や炭酸水素塩泉など、肌に優しく疲労回復に適した湯が多いのが特徴となっています。
日帰り入浴施設としては「御とめ湯り(おとめゆり)」が人気です。和モダンな雰囲気が特徴で、ランニング後の利用にも適した清潔感のある施設です。また、ホステル「YUMORI」はスポーツ合宿などの受け入れも行っており、あづま総合運動公園を利用する団体の拠点としても活用されています。
高湯温泉で本格的な湯治体験
公園から磐梯吾妻スカイライン方面へ車で約15分から20分ほど登った高地に位置するのが高湯温泉です。全国でも有数の「酸性硫黄泉」であり、白濁した湯と強い硫黄の香りが特徴となっています。「東北の草津」とも称されるほど薬効成分が強く、筋肉痛や関節痛への効果が期待できるため、ハードなトレーニング後のリカバリーに最適です。
共同浴場「あったか湯」は非常に安価(250円程度)で極上の湯を楽しめます。ただし、酸性が強いため、肌の弱い方や長湯には注意が必要です。短時間でもしっかりと温泉の効能を感じられるため、時間に余裕がない場合でも立ち寄る価値があります。
ランニング後のグルメスポット
公園周辺の荒井・佐原エリアや隣接する施設には、ランニング後の空腹を満たす魅力的な飲食店が点在しています。運動後の栄養補給も含めて、おすすめのスポットをご紹介します。
古民家カフェでゆったりランチ
公園のすぐ近く、福島市荒井にある「AZUMA36cafe(アヅマサンロクカフェ)」は、築100年の古民家をリノベーションしたカフェです。水田や吾妻山を望むロケーションで、パスタランチやスイーツを楽しめます。おしゃれな空間でリラックスしたいランナーや、女性グループにおすすめの店舗です。運動後の心地よい疲労感の中で、ゆったりとした時間を過ごすことができます。
四季の里で栄養補給
公園に隣接する農村公園施設「四季の里」内には、アサヒビールの園(ジンギスカン)や農園レストランがあります。タンパク質をしっかり補給したい場合には最適な選択肢です。特にジンギスカンは羊肉を使用しており、低脂肪・高タンパクでランナーの栄養補給にぴったりです。
また、四季の里にある「水車小屋アイスクリーム」や、近くの「honey bee(ハニービー)」のジェラートは、運動後のクールダウンデザートとして絶大な人気を誇ります。暑い季節のランニング後には、冷たいスイーツで体を冷やしながらエネルギーを補給するのもおすすめです。
自家製ソフトクリームの名店
公園に近い佐原地区にある「ささき牧場カフェ」は、自家製ソフトクリームが名物です。牧場直営ならではの新鮮なミルクを使用したソフトクリームは、運動後のご褒美として格別の味わいです。
あづま総合運動公園を快適に利用するためのポイント
あづま総合運動公園でランニングやウォーキングを楽しむために、知っておくと便利な情報をまとめてお伝えします。
小銭の準備は必須
キャッシュレス化が進む現代ですが、あづま総合体育館のロッカーやシャワーを利用する際には現金が必要です。ロッカー用の100円玉(使用後に返却されます)と、シャワー用の小銭(メインアリーナ130円、サブアリーナ10分100円)は必ず用意しておきましょう。100円玉を忘れた場合は、館内の自動販売機で飲み物を購入するなどして両替する必要があります。
駐車場選びのコツ
公園全体で約2,600台分の駐車場が確保されていますが、広大な敷地内のどこに停めるかで移動距離が大きく変わります。体育館を利用する場合は、「あづま総合体育館」の標識を目印に近い駐車場を選ぶと、着替えやシャワーへの移動がスムーズです。
イベント情報の事前確認
イチョウ並木のライトアップ時期や「あづま荒川クロスカントリー大会」「あづまの郷ウォーク」などのイベント開催日は、駐車場やコースが混雑したり、一部エリアが規制されたりする可能性があります。訪問前に公式サイトでスケジュールを確認しておくと安心です。特に秋のイチョウシーズンは観光客も多いため、平日の利用がおすすめです。
季節に応じた利用計画
春は桜、秋はイチョウと、あづま総合運動公園は四季折々の美しい景観を楽しめます。一方で、冬場は積雪があることもあるため、室内ランニングコースの活用がおすすめです。夏場は木陰の多いコースを選んだり、早朝や夕方の涼しい時間帯を選んだりすることで、快適にトレーニングできます。
目的別おすすめの過ごし方
あづま総合運動公園は、訪れる方の目的やレベルに応じて様々な楽しみ方ができます。
本格的なトレーニングを行いたい方へ
信号のない周回コースでのペース走が可能なため、マラソントレーニングに最適です。雨天でも無料の室内コースでトレーニングを継続できる点も大きなメリットです。サブアリーナのロッカー数が豊富で待ち時間が少なく、トレーニング後は高湯温泉での本格的なリカバリーも可能です。週末だけでなく平日も21時まで利用できるため、仕事帰りのナイトランにも対応しています。
景色を楽しみながら走りたい方へ
イチョウ並木のライトアップや、春の桜など「映える」景観が豊富です。更衣室や授乳室が完備されており、清潔に利用できる点も安心材料です。ランニング後はAZUMA36cafeなどの古民家カフェでランチを楽しんだり、ジェラート巡りをしたりと、観光を兼ねた1日を過ごせます。土湯温泉「御とめ湯り」のような清潔でモダンな入浴施設でリフレッシュするのもおすすめです。
健康づくりを始めたい方へ
「公園ラン&ウォークステーション」として、ウォーキングから始められる環境が整っています。初期費用がかからない点も大きな魅力で、ロッカーは実質無料、シャワーは格安、駐車場も無料です。コースが平坦で安全なため、運動習慣がない方でも無理なく始められます。フライデー・パークランに参加すれば、仲間と一緒に楽しみながら継続的な運動習慣を身につけることができます。
まとめ
福島市のあづま総合運動公園は、「公園ラン&ウォークステーション」の名にふさわしい、充実したハードウェアと豊かな自然環境を兼ね備えたフィールドです。ランナーにとっては、無料のロッカーや格安のシャワー、全天候型の室内コースといった「利便性」と、イチョウ並木や吾妻連峰の眺望といった「景観美」が両立している点が最大の魅力といえます。
多彩なコース設定により、舗装路でのペース走からクロスカントリー、室内トレーニングまで、目的に応じた練習が可能です。さらに、車でわずかな距離に土湯温泉や高湯温泉という日本屈指の名湯が存在し、古民家カフェやジェラートショップなどのグルメスポットも充実しています。「トレーニング+温泉+グルメ」という極上の休日プランを完結させることができる、まさに理想的なランニング環境です。
福島を訪れる際には、ぜひあづま総合運動公園で走ってみてはいかがでしょうか。吾妻連峰の雄大な自然に抱かれながら、心身ともにリフレッシュできる特別な体験が待っています。









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