ブルーフロント芝浦は、東京都港区芝浦一丁目に誕生した大型複合施設です。浜松町駅から徒歩約6分の好立地で、2025年9月に全体開業を迎えました。浜松町駅とブルーフロント芝浦をつなぐ歩行者専用通路「グリーンウォーク」は約400メートルにわたって整備され、約200本の植栽に彩られた緑豊かな空間となっています。周辺には芝公園や東京タワーを眺めながら走れるジョギングコースも充実しており、都心で自然を感じながら健康的に過ごせるエリアとして注目を集めています。
この記事では、ブルーフロント芝浦の施設概要からグリーンウォークの詳細、そして周辺で楽しめるジョギングコースやウォーキングスポットまで、浜松町・芝浦エリアの魅力を余すところなくお伝えします。都心で働くビジネスパーソンの方、健康のためにランニングを始めたい方、そして東京観光で新しいスポットを探している方にとって、きっと役立つ情報が見つかるはずです。

ブルーフロント芝浦とは
ブルーフロント芝浦は、かつての浜松町ビルディング(旧東芝本社ビル)跡地に建設された複合商業ビル群です。野村不動産とJR東日本が共同で推進する大型再開発プロジェクトとして、東京湾岸部の新たなシンボルとなっています。
プロジェクトの規模と特徴
ブルーフロント芝浦の区域面積は約4.7ヘクタール、延床面積は約55万平方メートルという広大な規模を誇ります。高さ約230メートルのツインタワーで構成され、総事業費は約4000億円にのぼります。設計には世界的な建築家である槇文彦氏が起用されており、建築デザインの面でも高い評価を受けています。
このプロジェクトは、TOWER S(南棟)とTOWER N(北棟)の2棟から構成されています。TOWER Sは地上43階、地下3階、高さ228.88メートルで、2025年2月28日に竣工しました。同年7月1日にはホテル「フェアモント東京」がオープンし、8月にはオフィスの入居が始まり、9月1日には商業エリアがグランドオープンして全体開業を迎えています。オフィス、商業施設、ホテルで構成される複合施設となっています。
一方、TOWER Nは地上45階、地下3階、高さ227.28メートルの計画です。2027年度に着工し、2030年度に竣工する予定となっています。こちらはオフィス、商業施設、住宅で構成される予定で、浜松町・芝浦エリアの発展はまだまだ続いていきます。
環境・サステナビリティへの取り組み
ブルーフロント芝浦は、環境配慮型の開発として注目されています。街区全体でCO2排出量実質ゼロの実現を目指しており、TOWER SはCASBEE建築Sランクを取得しました。
2025年3月1日には、東京ガス野村不動産エナジーが芝浦エネルギーセンターの竣工とTOWER Sへのエネルギー供給を発表しています。さらに同月5日には、外構部の遊歩道グリーンウォークにグリーン水素発電システムが導入されたことが発表されました。持続可能な都市開発のモデルケースとして、今後の都市開発に大きな影響を与えることが期待されています。
先進的な構造と防災対策
ブルーフロント芝浦の構造には、清水建設の「BILMUS(ビルマス)」が採用されています。これは免震と制振のハイブリッド構造で、直接基礎により強固に建築する仕組みです。上層階と下層階が互いの揺れを打ち消す方向に揺動することで、ビル自体が制振装置として機能するという画期的な技術が用いられています。
電力供給は「2系統3回線受電」により、万一の停電時も電気を供給できる体制が整っています。非常用発電機などの重要電気設備は地下ではなく上階に設置されており、最大規模の水害時にも対応可能な設計となっています。東京湾岸エリアという立地を考慮した万全の防災対策が施されているのです。
魅力的なオフィスフロア
オフィスフロアは、1フロア約1,500坪(約5,156平方メートル)のメガプレートを提供する無柱空間となっています。ロの字型の整形無柱空間により、企業のフレキシブルなレイアウトが可能で、オフィス内の回遊性が高まりコミュニケーションを促進します。6バンク36基のエレベーターが効率的にフロア間の移動をサポートしており、大規模オフィスビルとしての機能性も抜群です。
フェアモント東京の魅力
ブルーフロント芝浦TOWER Sの35階から43階には、ラグジュアリーホテル「フェアモント東京」が入居しています。2025年7月1日に開業したこのホテルは、アコーが日本で初めて手がけるラグジュアリーホテルとして大きな話題を呼びました。
フェアモントブランドについて
フェアモントは1907年の創業以来、世界中で92以上のホテルを展開するホテルブランドです。欧州最大手のホテルグループであるアコーのラグジュアリーホテルブランドに位置付けられており、世界中のセレブリティや要人に愛されてきた歴史があります。そのフェアモントが満を持して日本に上陸したのがフェアモント東京なのです。
充実の客室と施設
客室数は29のスイートを含む全217室で、客室は52平方メートルから278平方メートルのゆとりある広さを確保しています。日本家屋の縁側を思わせるシーティングエリアや、大理石の質感を生かしたバスルームなど、和と洋が融合したデザインが特徴です。36階から42階が居室となっており、41階と42階は「フェアモントゴールド」という特別なフロアとして、より上質なサービスを提供しています。
ホテル内には5つのレストランと2つのバー、4つの屋外テラスを完備しており、様々なダイニング体験を楽しむことができます。また、エグゼクティブラウンジ、スカイチャペル、スカイバンケット、グランドボールルーム、スパ、シグネチャーインフィニティプール、屋外リラクゼーションプール、フィットネス施設など、高層階からの眺望と充実した施設で特別な滞在を演出しています。
フェアモント東京では、犬が「最高ハピネス責任者」を務めるというユニークな取り組みも行っており、ペットフレンドリーなホテルとしての側面も持っています。
ブルーフロント芝浦の商業施設
TOWER Sの低層階(1階から3階)には、飲食店を中心に約40店舗が出店しています。店舗の約7割が飲食店という構成で、商業エリアは約3,300平方メートルに29店舗が出店しています。
1階グリーンダイニングホール
1階のグリーンダイニングホールは、緑に包まれた空間が特徴のフードコートです。テラス席も含めて共用席約350席を設けています。JR浜松町駅から芝浦エリアをつなぐ歩行者動線「グリーンウォーク」からも入場可能で、気軽に立ち寄ることができます。
主な出店店舗としては、おむすび専科、クリスプサラダワークス、北海道スープカレーSuage、Trattoria八十郎、芝浦十番、BEST PASTA & COFFEE STAND、芝浦牡蠣屋などがあります。芝浦牡蠣屋は、全国から届く新鮮な牡蠣を堪能できるオイスターバーとして注目されています。
2階キャナルダイニングホール
2階の「CANAL DINING HALL(キャナルダイニングホール)」は、運河に面する水辺の開放感の中で過ごせるオールデイダイニング空間です。海風を感じるテラス席を含む全約420席を設けています。
特徴的なのは、日中はフードコート形式でセルフサービス、17時以降はレストラン方式でスタッフが料理をサーブするフルサービスを提供する点です。時間帯によって異なる雰囲気を楽しめるのが魅力となっています。
主な出店店舗は、焼鳥「OMINO芝浦」、蕎麦と天ぷらと酒「SOBA LABO」、海鮮料理「芝浜市場」、つけ麺の名店「玉」、タイ料理、とんかつ、麻婆豆腐・担々麺、ビストロ、スペアリブ&カジュアルイタリアン、沖縄料理など多彩なジャンルの8店舗の専門店が出店しています。OMINO芝浦は、予約困難な焼鳥の名店「おみ乃」が出店しており、接待や特別な日のディナーに最適な高級レストランとして人気を集めています。
また、共創事業で手掛けるSHIBAURA BREWINGのクラフトビールを味わえる「DRINK STAND 1-1-1」も出店しています。このホール内では、ほとんどの店舗が新業態として展開している点も注目されます。
3階SHOPS&CAFE
3階のSHOPS&CAFEは、施設の利便性と快適性を高めるオフィスサポートフロアとなっています。「ファミマ!!」「スターバックスコーヒー」およびフラワーショップ、シェアオフィスが出店しています。シェアオフィスは15分単位での利用が可能で、個室や会議室といったビジネスパーソンにとって利便性の高い設備が用意されています。
グリーンウォーク上の店舗
2025年5月30日には、グリーンウォーク上に3店舗がオープンしました。アメリカンダイナー「パームスプリングスクラブ(PALM SPRINGS CLUB)」、イタリアン酒場「Ortu」、自家焙煎のコーヒーを楽しめる「ヤホコーヒー&ティー(Jaho Coffee & Tea)」です。散策の途中で気軽に立ち寄れる店舗として人気を集めています。
グリーンウォークの魅力と特徴
グリーンウォークは、浜松町駅や竹芝エリアと芝浦エリアとの回遊性を高めるために整備された歩行者専用通路です。2025年3月5日に開通しました。港区道である歩行者専用道路を中心に、植栽や水景が整備されたアプローチとなっています。
「都市自然浴」というコンセプト
グリーンウォークは「都市自然浴」をコンセプトに計画されています。都市生活者が身近に自然に触れることで、心身の健康回復を促すことを目指しています。JR浜松町駅南口からツインタワーにつながる約400メートルの歩行者専用道路で、JR東日本の保有地を再整備し、約200本の植樹をするなど自然を感じられる景観を演出しています。
樹木の香りを楽しんだり、カフェから景色として眺めたりといった、その人が好む自然との触れ合い方を選べるよう配慮されています。花壇、木陰のベンチ、小川のせせらぎが点在し、自然を都市インフラに組み込んだ「水辺のオアシス」として設計されています。
バリアフリー・アンブレラフリー設計
グリーンウォークの大きな特徴は、バリアフリー化とアンブレラフリー化が実現されている点です。屋根が設置されており、浜松町駅からブルーフロント芝浦まで雨の日でも濡れずに移動できます。約200本もの植栽に彩られた緑豊かな空間で、四季折々の自然とつながる散策路となっています。ベンチも設置されており、休憩しながらゆっくりと歩くことができます。
環境に配慮した照明システム
グリーンウォークでは、沿線のソーラーパネルや敷地内の水素発電によるクリーンエネルギーが夜の灯りを支えています。ゆるやかな光が足元を導き、環境に配慮した照明システムとなっています。グリーン水素発電システムの導入により、持続可能な都市インフラとしての機能も果たしています。
今後の拡張計画
グリーンウォークは現在約400メートルですが、2027年までにさらに北へ拡張され、全長600メートルとなる予定です。今後、浜松町駅北口・竹芝方面までの延伸が予定されています。延伸部分は旧芝離宮恩賜庭園に隣接するため、この美しい庭園へのアクセスもより気軽になります。浜松町駅周辺の歩行者ネットワークの核となる重要な通路として、さらなる発展が期待されています。
浜松町・芝浦エリアのジョギングコース
ブルーフロント芝浦やグリーンウォークの周辺には、魅力的なジョギングコースが充実しています。都心でありながら緑や水辺を感じながら走れるコースが多く、ランナーに人気のエリアとなっています。
芝公園周辺コース
芝公園は港区にある都立芝公園と区立芝公園の総称で、1周約1.5キロメートルのランニングコースがあります。東京タワーや増上寺、東照宮など見どころが多く、公園内には芝生や花木が多いため気持ちよく走ることができます。
東京タワーを目印にして走れるのが特徴で、土地勘がなくても初めてでも安心です。夜ランも、ライトアップされた東京タワーを眺めながら楽しく走れます。公園内には水飲み場、トイレ、自販機が設置されています。
アクセスは、JR浜松町駅から徒歩12分、都営地下鉄三田線芝公園駅から徒歩2分、御成門駅から徒歩2分、都営地下鉄浅草線・大江戸線大門駅から徒歩5分、都営地下鉄大江戸線赤羽橋駅から徒歩2分となっています。
東京タワー周辺コース
東京タワー周辺には、まだ知られていないランニングコースがたくさんあります。短い距離を寄り道しながら巡回する初心者向けコースから、坂道が多い上級者コースまで様々なルートが楽しめます。
走るたびに違う景色が楽しめるのが魅力で、毎日発見があります。おしゃれな店が多いエリアなので、街並みを楽しみながらトレーニングができます。走る前に東京タワーの展望台に上り、今日のランニングコースを考えてから走ることで、毎日違ったコースを走れるという楽しみ方もあります。増上寺と東京タワーのコントラストは圧巻で、ライトアップされた東京タワーは仕事終わりランにもぴったりです。
芝公園から日比谷コース
芝公園から増上寺、大門を見ながら皇居のお堀が見えるまでまっすぐ進み、日比谷公園をぐるりとまわるコースもあります。霞ヶ関の官庁街に突入し、法務省旧本館の赤レンガの建物(重要文化財)を見ることができます。歴史的建造物を眺めながら走れる、都心ならではのコースです。
東京湾景・港区コース
芝公園の赤羽橋付近をスタートし、汐留、竹芝、日の出、芝浦などを走って芝浦南ふ頭公園まで約5.5キロメートルのランニングコースです。東京タワーをいろいろな位置から見ることができるのが魅力です。海を見ながらリラックスしたランニングを楽しめます。
芝浦ウォーターフロントコース
東京都が提供する「芝浦ウォーターフロントコース」は、水辺を歩くコースです。新橋駅が最寄り駅で、約7,430歩、所要時間約78分、距離約5.2キロメートルのコースとなっています。
コースは、旧新橋駅舎、汐留駅、イタリア公園、芝離宮恩賜庭園、竹芝ふ頭、日の出桟橋、浜路橋、埠頭公園、五色橋、芝浦中央公園などを巡ります。水辺の景観を楽しみながら歩けるコースとして人気があります。
ランニングステーション情報
東京タワー内にランニングサロン「LOVESPO TOKYO(ラブスポ東京)」があり、着替えやシャワーが利用できます。ランナーにとって便利な施設です。また、「港区立公衆浴場ふれあいの湯」も銭湯ランニングに利用できます。増上寺やお寺のバックに浮かび上がる東京タワーのフォトジェニックな景色を楽しんだ後、銭湯でリフレッシュできます。
芝浦・竹芝・日の出エリアの散歩コースと観光スポット
ジョギングだけでなく、ゆっくり散歩を楽しみたい方にも浜松町・芝浦エリアはおすすめです。竹芝、日の出、芝浦運河沿いには魅力的な散歩コースや観光スポットが点在しています。
竹芝エリアの見どころ
東京ポートシティ竹芝は、2020年に自然とサステナビリティをコンセプトに開業した40階建ての複合施設です。5層構造のスキップテラスを中心に「竹芝新八景」という緑豊かな環境が魅力となっています。
ウォーターズ竹芝は、浜松町駅北口から徒歩約6分の場所にあります。ショッピング施設のアトレ竹芝、四季劇場、メズム東京ホテルなどで構成されています。水上バスが発着する船着場や竹芝干潟、芝生広場のプラザもあります。
竹芝ふ頭は、伊豆諸島や小笠原諸島へ向かうフェリーが出る波止場です。再開発により公園と港が一体化し、散策や眺望が楽しめるスポットに生まれ変わりました。プロムナードデッキからはレインボーブリッジや行き交う船を眺めることができます。
日の出エリアの見どころ
日の出桟橋は、大正14年(1925年)に誕生した東京で最も古い埠頭です。隅田川やお台場方面への水上バス乗り場として利用されています。ゆりかもめ日ノ出駅から徒歩約3分程度でアクセスできます。
芝浦運河沿いの散歩
田町駅の東口を出てまっすぐ歩けば芝浦に着きます。運河が縦横に走る街並みは心を落ち着かせてくれます。その先さらにまっすぐ進めばレインボーブリッジに行き当たり、ちょっといい散歩コースとなります。
新芝運河沿緑地は、港区により道路との空間を利用した一体性を持った整備がされており、憩いの場を提供しています。この周辺は江戸時代に月見や海水浴スポットとして賑わった地域です。緑地と遊歩道により憩いの空間として復活し、階段で水辺まで降りることができます。楽器を演奏する3人の像「リバーサイドトリオ」のモニュメントがあり、夕暮れ時にはガス灯が灯りロマンチックな雰囲気を演出します。
歴史的庭園を訪ねて
旧芝離宮恩賜庭園は、元禄時代の大久保忠朝上屋敷跡で、明治8年に宮内庁所管となり離宮となりました。後楽園とともに現存する最古の大名庭園で、江戸下屋敷の庭園様式を持っています。グリーンウォークの延伸により、より気軽にアクセスできるようになる予定です。
浜離宮恩賜庭園は、潮入の池と2つの鴨場を持つ江戸時代の代表的な大名庭園です。国の特別名勝および特別史跡に指定されています。都心にたたずむオアシスとして散策が楽しめます。
レインボーブリッジ遊歩道
竹芝からレインボーブリッジを渡ってお台場、有明、辰巳まで歩くコースもあります。海沿いは風もあってとても気持ち良く歩くことができ、レインボーブリッジ遊歩道からの景色はとても美しいと評判です。
浜松町駅周辺の再開発と今後の展望
浜松町駅周辺では、野村不動産、東急不動産、JR東日本が大規模再開発を推進しています。「陸海空」の結節点としての魅力向上を目指し、複数のプロジェクトが同時に進行しています。
世界貿易センタービルディング建替え
浜松町駅西口では、世界貿易センタービル建替えを中心とした大規模再開発が進行中です。2026年度には新しい本館ターミナルが完成し、商業・業務機能を備えた複合ビルとして生まれ変わる予定です。さらに、東京モノレールの新駅舎も2029年度に完成予定となっています。
タワーマンションの誕生
2024年1月には「WORLD TOWER RESIDENCE」を含む高層部が竣工し、2025年3月には入居が始まりました。地上46階建て、総戸数389戸の大規模タワーマンションです。
歩行者ネットワークの整備
北口エリアでは、線路を跨ぐ形で新しい橋上駅舎が建設されています。新たに整備される自由通路は、改札を通らずに駅の東西を行き来できるようになります。整備完了は2026年度を予定しており、竹芝・汐留方面と芝大門方面を結ぶ新しい都市動線の核となります。
南口側では、既存の自由通路に加えて新設通路が2025年3月に先行開業し、芝浦方面へのアクセスが大幅に改善されています。2026年度には新旧両通路を合わせた形で全面供用が始まる予定です。
整備スケジュールの全体像
2024年度には南口新通路の一部供用が開始され、2026年度には北口橋上駅舎、南口自由通路、中央広場の整備が進みます。その後、2029年度に東京モノレール新駅舎が完成、2030年度には芝浦N棟が竣工し、浜松町駅周辺の大規模改良は一区切りを迎える予定です。
芝浦の歴史と東芝との深い関わり
ブルーフロント芝浦が建つこの地には、長い歴史があります。特に東芝との関わりは深く、「芝浦」という地名は東芝の社名の由来ともなっています。
芝浦地名の由来と発展
芝浦という地名は、東京湾岸部の発展とともに歴史を刻んできました。田町駅芝浦口から海岸通りを経て汐留までの地域は、かつては埋立地の倉庫街でした。東京湾の船による輸送機能が自動車輸送の発達により影響を受け、工場や倉庫は撤退し、跡地の有効利用が求められるようになりました。
この周辺は江戸時代には月見や海水浴スポットとして賑わった地域でもあります。時代とともに工業地帯、倉庫街、そして現在のビジネス・住宅地区へと変貌を遂げてきました。
東芝と芝浦の関係
東芝の歴史は、「からくり儀右衛門」と呼ばれた田中久重が銀座に開いた工場兼店舗から始まります。田中久重は江戸時代を代表する偉大な発明家の一人であり、また「日本のエジソン」として知られる電気の父・藤岡市助とともに、東芝の前身「東京芝浦電気」が生まれました。
東芝の重電系部門の源流は芝浦製作所であり、1939年(昭和14年)に東京電気との合併で東京芝浦電気という名称になりました。1984年(昭和59年)にその略称であった「東芝」が現社名となりました。
旧東芝ビル(浜松町ビルディング)の建設
芝浦の本社ビル建設を決めたのは、経団連会長も務めた土光敏夫氏が会長だった1974年のことです。創業100周年を翌年に控えたタイミングでの決定でした。港区が1974年に「SKP(芝浦総合開発プロジェクト)計画」を提案し、超高層貸オフィスビル1棟案が採用されました。
建設工事は1981年8月に着工し、東芝発足45周年にあたる1984年に竣工しました。約400億円が投じられたビルは、その70%が東芝本社として利用されることから「東芝ビルディング」と命名されました。本格的なインテリジェントビルのはしりとして注目を集め、芝浦のランドマークとなりました。
東芝の移転と新時代への移行
東芝は2025年8月1日、東京都港区の芝浦地区から神奈川県川崎市へ本社を移転しました。芝浦は社名の由来ともなった象徴の地で、創業間もない頃から約140年にわたり東芝を育んできました。この移転は一つの時代の終わりを象徴するものでした。
近年になるとビルの老朽化が進んだほか、様々な経営環境の変化もあり、本社売却などの動きも見られました。当ビルを含めた4.7ヘクタールの敷地は、野村不動産とJR東日本による再開発計画「芝浦プロジェクト」として、複合施設「BLUE FRONT SHIBAURA」へと生まれ変わることとなりました。旧東芝ビルは2025年9月いっぱいで閉館し、翌日から解体工事が開始されています。
レインボーブリッジという新名所ができたことや再開発に伴い、高層マンションなども誕生し、芝浦は再び住宅街としての顔も見せつつあります。
芝浦運河ルネサンスの取り組み
芝浦エリアでは、運河を活かしたまちづくりも積極的に行われています。運河ルネサンスとは、東京都港湾局港湾整備部による、東京臨海部の運河の活用及び整備を推進する取り組みです。
運河ルネサンスの目的
東京の水辺の魅力の向上や観光振興に資するため、運河などの水域利用とその周辺におけるまちづくりが一体となり、地域の賑わいや魅力を創出することを目的としています。臨海地域の町会、商店会、企業などの民間事業者、NPO法人などの団体による地域協議会が運河の活用方法を検討しています。運河を利用したイベント、観光桟橋や水上レストランなどの施設の設置など、運河沿いの活性化について計画された取り組みを推進しています。
芝浦運河ルネサンス協議会
芝浦運河ルネサンス協議会は、芝浦・海岸地域の魅力や活力を維持し掘り起こしていく地域活動の一環として、主に運河や運河沿い遊歩道の利活用という側面に視点をおいて活動している団体です。東京都内に5つある運河ルネサンス協議会の一つとして位置付けられています。
本協議会は、地域の豊かな水と緑や文化などの地域性を活かし、安全で快適な生活環境を創り出すため、地域に関わる人達が自ら調査や研究提案を行い、行政と協力しあい、「運河を活かしたまちづくり」を推進することを目的としています。
芝浦運河まつり
2005年6月に推進地区に指定された芝浦地区では、地元商店会を中心として遊歩道上のオープンカフェ設置による飲食事業や浮桟橋の設置を実施しています。また、運河ルネサンス協議会が主体となり浮桟橋を利用した舟運イベント「芝浦運河まつり」を実施しています。
芝浦運河まつりは、芝浦1丁目商店会、芝浦2丁目商店会、海岸2・3丁目商店会、芝浦商店会が合同で主催しているお祭りです。運河のある町「芝浦・海岸」の町おこしの一環として、東京都の提唱する「運河ルネサンス構想」に沿って「海辺と人との新しい関係」を提案することを目的としています。
運河まつりのおすすめは無料で乗れる運河クルーズです。クルージングの時間は約30分程度で、運河という普段とは違う視点から街を眺めることができます。式典では港区長、東京都港湾局技官、港区スポーツふれあい健康財団理事長の挨拶があり、大角太鼓、地元小学校の合唱、キッズのダンス、歌のライブなど盛りだくさんの内容で開催されています。
浜松町エリアのおすすめカフェ
ジョギングやウォーキングの後に立ち寄れるカフェが充実しているのも、浜松町・芝浦エリアの魅力の一つです。ビジネスパーソンや観光客に人気のカフェをご紹介します。
注目のカフェ
ル・パン・コティディアン芝公園店は、カフェEAST百名店2025に選出された店舗で、浜松町駅から徒歩10分程度にあるベルギー発祥のベーカリーレストラン日本1号店です。パンが美味しいと評判で、モーニングが特に人気となっています。オーガニック小麦と天然酵母を使用したパンが並び、オープンサンドやクロワッサンなどが定番メニューとなっています。
Byron Bay Coffee大門店は、オーストラリア発の雰囲気と本格コーヒーを楽しめる駅近カフェです。JR浜松町駅から徒歩3分程度のアクセスの良さが魅力です。数々の賞を受賞しているオーガニックコーヒーがウリで、海外のようなおしゃれな造りで居心地が良く、インバウンド客も多い人気店です。
庭園内のカフェ
中島の御茶屋は、浜離宮恩賜庭園内の池の真ん中にある茶屋です。浜松町徒歩圏内のカフェの中でも景色が素晴らしいと評されています。庭園の入園料300円が必要ですが、上生菓子抹茶セット720円や蒸し菓子抹茶セット510円を楽しみながら、江戸時代から続く美しい庭園の景色を堪能できます。
その他の注目カフェ
和カフェTsumugiアトレ竹芝では、東京湾を望む彩り豊かな和カフェで癒しの時間が楽しめます。LIT COFFEE&TEA STANDではとろけるプリンとこだわりコーヒーが楽しめます。やなか珈琲店芝大門店は心安らぐ木目調のコーヒー空間が魅力です。
BLUE BOTTLE COFFEE竹芝カフェは、緑を望む心地よい空間で丁寧な接客が魅力のカフェです。TERA CAFE SHIEN ZOJOJIは増上寺に併設された雅なスイーツが楽しめるカフェとなっています。
ブルーフロント芝浦へのアクセス情報
ブルーフロント芝浦や周辺スポットへのアクセス情報をまとめてお伝えします。
ブルーフロント芝浦へのアクセス
JR山手線・京浜東北線・根岸線「浜松町」駅南口から徒歩約6分で、グリーンウォークを通ってアクセスできます。都営大江戸線・都営浅草線「大門」駅A1出口から徒歩約11分、ゆりかもめ「日の出」駅2A出口から徒歩約7分となっています。
芝公園へのアクセス
JR「浜松町」駅から徒歩12分、都営地下鉄三田線「芝公園」駅から徒歩2分、都営地下鉄三田線「御成門」駅から徒歩2分、都営地下鉄浅草線・大江戸線「大門」駅から徒歩5分、都営地下鉄大江戸線「赤羽橋」駅から徒歩2分となっています。
竹芝エリアへのアクセス
JR「浜松町」駅北口から徒歩約6分、ゆりかもめ「竹芝」駅から徒歩すぐです。
日の出桟橋へのアクセス
JR「浜松町」駅南口から徒歩約10分、ゆりかもめ「日の出」駅から徒歩約3分です。
まとめ
ブルーフロント芝浦は、浜松町・芝浦エリアに誕生した東京湾岸部の新たなシンボルです。野村不動産とJR東日本が共同で推進するこの大型再開発プロジェクトは、オフィス、ホテル、商業施設、住宅を備えた複合施設として、エリアの魅力を大きく向上させています。
グリーンウォークは、浜松町駅と芝浦エリアをつなぐ約400メートルの歩行者専用通路で、約200本の植栽や水景が整備された「都市自然浴」をコンセプトとした空間です。バリアフリー・アンブレラフリー設計で、雨の日でも快適に移動できます。2027年には全長600メートルまで延伸される予定で、さらなる利便性向上が期待されます。
周辺には、芝公園や東京タワーを眺めながら走れるジョギングコースが充実しています。1周約1.5キロメートルの芝公園周回コースから、約5.5キロメートルの東京湾景コースまで、初心者から上級者まで楽しめるルートがあります。ランニングステーションも整備されており、快適にランニングを楽しむことができます。
また、竹芝、日の出、芝浦運河沿いの散歩コースや、旧芝離宮恩賜庭園、浜離宮恩賜庭園などの歴史的庭園、レインボーブリッジ遊歩道など、ウォーキングを楽しめるスポットも豊富です。
浜松町駅周辺は、2030年度の芝浦N棟竣工に向けて今後も再開発が続きます。世界貿易センタービルの建替えや駅の改良工事も進み、エリア全体の利便性と魅力がさらに向上していきます。
ブルーフロント芝浦を中心とした浜松町・芝浦エリアは、都心で自然を感じながら健康的に過ごせる新しいライフスタイルを提案しています。グリーンウォークでの散策、周辺でのジョギング、水辺のレストランでの食事、そしてラグジュアリーホテルでの滞在まで、多様な楽しみ方ができるエリアとして、今後ますます注目されることでしょう。









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