神奈川県足柄上郡山北町に広がる丹沢湖では、湖畔をひと回りする15.8kmの周回ジョギングコースが、自然の中で長い距離を走りたいランナーの支持を集めています。標高差はおよそ29mに収まり、舗装された道が湖をぐるりと囲む設計のため、都心から日帰りできる距離にありながら山あいの静けさをたっぷり味わえるのが持ち味です。丹沢山地の西丹沢エリアに位置するこの湖は、三保ダムの建設によって生まれた人造湖でありながら周囲を緑濃い山々に囲まれ、四季ごとに違う景色を見せてくれます。1979年から続く丹沢湖マラソン大会の舞台にもなっており、初めて訪れる人にとっても目印の多いコースです。この記事では、コースの距離や標高差といった基本データから、世附大橋や千代の沢園地展望台といった見どころ、山北町ならではのアクセス方法や周辺グルメ、走る際の注意点まで、実際に訪れる際に役立つ情報をまとめました。

丹沢湖は昭和53年に三保ダムの建設で誕生した人造湖
丹沢湖は、1978年(昭和53年)に三保ダムが完成したことで生まれた人造湖です。西から流れ込む世附川、北から流れ込む中川川、東から流れ込む玄倉川という3本の川が合流する地点にあり、豊かな水量を保っています。ダム湖でありながら丹沢山塊の緑に囲まれているため、自然の湖のような趣を持っているところが丹沢湖らしさといえます。
湖を生み出した三保ダムは、堤高95.0m、堤頂長587.7m、堤体積581万6000立方メートルという規模を持つ中央土質遮水壁型ロックフィルダムです。丹沢湖の総貯水容量は6,490万立方メートルで、そのうち有効貯水容量は5,450万立方メートルにのぼります。湖の面積はおよそ218万平方メートル、約2.2平方キロメートルというスケールを保ちながら、周囲の自然と調和した穏やかな景観を守っている点が丹沢湖の大きな特徴です。
この景観は公的にも評価されており、かながわの景勝50選とダム湖百選に選ばれています。さらに湖越しに望む富士山の眺めは関東の富士見百景にも選定されており、天候に恵まれれば湖面と富士山が並ぶ景色に出会えます。春は山々が若葉に包まれ、夏は水面からの風が心地よく、秋は山肌が紅葉に染まり、冬は澄んだ空気の中で富士山がくっきり浮かび上がるというように、季節ごとに違う表情を見せてくれる湖です。
山北町の周回ジョギングコースは総距離15.8km、標高差約29mの中級ルート
丹沢湖を一周するジョギングコースは、総距離約15.8kmです。難易度は中級とされており、初心者がいきなり走り切るにはやや距離がありますが、10km前後を問題なく走れるランナーであれば十分に楽しめる設定です。標高は最も低い地点で325m、最も高い地点で354mとなっており、標高差はおよそ29mに収まります。極端なアップダウンが連続するわけではなく、湖畔沿いに多少の起伏がある程度で、全体としては走りやすい部類に入ります。
道路は基本的に舗装されており、広い道幅が確保されている区間が多いため、足元の不安は少なめです。この走りやすさは、後述する丹沢湖マラソン大会のコースとして採用されていることからもうかがえます。大会のコースでも多少のアップダウンはあるものの広くて走りやすい舗装路と紹介されており、初めて丹沢湖を訪れるランナーにとっても安心材料になるでしょう。
なお、湖畔には周回コースとは別に、湖岸沿いをゆっくり歩くためのハイキングコースも整備されています。こちらは距離約10km、標高差121.1m、所要時間はおよそ3時間とされており、ジョギングではなくウォーキングで景色を楽しみたい人にも対応した設計です。走る人と歩く人のどちらにも選択肢が用意されているところに、丹沢湖の懐の深さを感じます。
湖畔から富士山と紅葉を望める景観が最大の魅力
丹沢湖周回コースの魅力は、湖面と山並みが織りなす景観にあります。コースの随所から丹沢湖を望むことができ、空気の澄んだ晴天時には湖の向こうに富士山が顔を出す瞬間に出会えることもあります。関東の富士見百景に選ばれるほどの眺望ですので、景色を楽しみながらのんびり走るというスタイルも十分に成立します。
湖を生み出した三保ダムも、コース周辺の象徴的なランドマークの一つです。重厚な構造物と、その先に広がる穏やかな湖面とのコントラストは、走っている最中にふと足を止めたくなる見応えがあります。
季節ごとの変化も、繰り返し走りたくなる理由です。春は新緑がまぶしく、山肌全体が柔らかな黄緑色に包まれます。夏は木陰の多い区間なら直射日光を避けながら走ることができ、湖からのわずかな風が心地よく感じられる場面もあります。秋は例年11月中旬から下旬にかけてが紅葉の見頃で、山全体が赤や黄色に染まり、湖面に映り込む景色は観光客も多く訪れるほどです。冬は空気が澄み渡り、遠くの富士山や周囲の稜線がくっきりと見えるようになるため、寒さを忘れる景色に出会えることもあります。
世附大橋や永歳橋、千代の沢園地展望台が撮影ポイントになっている
丹沢湖周回コースを走る中で必ず目に入るのが世附大橋です。昭和52年に完成したこの橋は橋長164.8m、幅員6mというスケールを持ち、かながわの橋100選にも選ばれています。アーチ部分は銀色、桁部分は落ち着いた青色に塗装されており、山あいの湖にふさわしい静かな佇まいです。橋の上から眺める湖面は印象的で、ペースを落として景色を味わいたくなるポイントの一つです。
もう一つの見どころが永歳橋です。世附大橋と同様に湖を横断する形で架けられており、周回コースの中でも湖の広がりを実感できる区間として知られています。橋の上からは対岸の山肌や、天候によっては富士山の姿も望めます。
さらに湖畔には千代の沢園地展望台という展望スポットも整備されています。ここからは丹沢湖と富士山を組み合わせた眺望を楽しむことができ、写真撮影のポイントとしても人気です。丹沢湖の夕景はかながわの景勝50選に選ばれているほか、湖面に映る西日の美しさはやまなみ五湖水のある風景36選にも選定されています。ジョギングの途中で一度足を止め、展望スポットから景色を眺める時間を作るのも丹沢湖ならではの楽しみ方です。
丹沢湖マラソン大会は1979年創設、2026年は11月29日に第48回開催予定
丹沢湖周回コースの知名度を語るうえで欠かせないのが丹沢湖マラソン大会です。丹沢湖の完成を記念して1979年に創設された歴史ある大会で、長年にわたって地域に根付いてきました。開催時期は例年11月で、紅葉が最も美しい時期と重なるように設定されているのが特徴です。直近では第47回大会が2025年11月30日に開催されました。
大会当日は山北町立の皆瀬川山北高校のグラウンドを起点として開会式が行われ、午前9時10分から式典が始まり、10kmの部と3.3kmの部は午前10時にスタートするというスケジュールで実施されます。種目は3.3km、10km、そして特別な20kmコースが設定されており、初心者から健脚のランナーまで幅広い層が参加できる構成です。
コースは丹沢湖の周囲を走る設計で、紅葉に彩られた山々や、晴天時には富士山を望める区間も含まれます。道幅が広く舗装状態も良好な区間が多いため、大会コースとしても走りやすいと評判です。2026年には第48回大会が11月29日に開催される予定で、ふだんは静かな湖畔も大会当日は多くのランナーや応援の人々で賑わいます。この時期に合わせて丹沢湖を訪れれば、普段より一層盛り上がった雰囲気の中でコースを体験できるはずです。
アクセスは新松田駅からバスで50分前後、車なら大井松田ICから
丹沢湖への公共交通機関でのアクセスは、小田急線の新松田駅が起点です。新松田駅からは富士急モビリティが運行する路線バスに乗車し、西丹沢ビジターセンター行きなどの便を利用することで丹沢湖方面へ向かえます。所要時間はバス停や便によって差があり、およそ50分から1時間10分程度が目安です。バスは本数が限られている時間帯もあるため、事前に時刻表を確認しておくと安心です。
車で訪れる場合は、丹沢湖周辺に無料駐車場が用意されており、マイカーでのアクセスも可能です。東名高速道路の大井松田インターチェンジや松田インターチェンジから、国道246号や県道を経由して向かうルートが一般的です。休日や紅葉シーズン、マラソン大会開催日などは駐車場が混雑することがあるため、早めの到着を心がけるとよいでしょう。
公共交通機関の場合、バスの本数が限られる点には注意が必要です。西丹沢方面へのバスは日中でも運行間隔が空くことがあるため、帰りの時刻もあらかじめ調べておくことをおすすめします。車であれば時間に縛られず、コースの途中で景色の良いポイントに立ち寄ったり、走った後に周辺観光を楽しんだりと、柔軟なプランを組みやすくなります。
道の駅山北やカフェだいずなど立ち寄りスポットが充実
丹沢湖周回コースを走った後や、走る前の腹ごしらえに便利な立ち寄りスポットが周辺には点在しています。まず紹介したいのが道の駅山北です。川西橋から丹沢湖方面へ約500mほど進んだ場所にあり、地元産の農産物や特産品の販売コーナー、トイレ休憩スペース、軽食コーナーなどが揃っています。ジョギングの前後にトイレを利用したり、地元の食材を購入したりするのに便利な施設です。
グルメスポットとしては、築100年という歴史を持つ昭和レトロな喫茶店カフェだいずが丹沢湖から約3.2kmの距離にあります。走った後にレトロな雰囲気の中でゆっくり休憩したい人には特におすすめです。テラス席が人気のやまきたさくらカフェは丹沢湖から約6.9kmの場所にあり、開放的な空間でくつろぎながら食事や飲み物を楽しめます。温泉やバーベキュー、つかみ取り体験まで楽しめる焼肉店の魚山亭やまぶきも同じく約6.9kmの距離にあり、運動後にしっかり食事をとりたい人や家族連れで一日楽しみたい人に向いています。手打ちそばを提供する太平楽も評判が良く、丹沢湖キャンプサイトから徒歩約30分、約2.3kmの場所にあります。
温泉で汗を流したい人には中川温泉がおすすめです。中川川を遡った山あいにひっそりと佇む温泉地で、武田信玄ゆかりの隠し湯として伝えられ、美人の湯としても名高いお湯です。泉質はpH10の高アルカリ性で、肌に優しい入り心地が特徴です。展望露天風呂からは眼下に清流の中川を望むことができ、紅葉の時期には丹沢山塊の自然美と温泉を同時に楽しめます。町営の日帰り入浴施設ぶなの湯も近隣にあり、ジョギングやハイキングで疲れた体を気軽にリフレッシュできる場所として人気です。
給水ポイントが少ないため水分補給と車への注意が欠かせない
丹沢湖周回コースは中級レベルとされているため、フルマラソンやハーフマラソンの経験がある人であれば無理なく走り切れる距離感です。一方、日常的にランニングをしていない人がいきなり15.8kmを走ろうとすると、後半で足に疲労が蓄積しやすくなります。事前に10km前後の距離を問題なく走れる体力を身につけておくと、より快適にコースを楽しめるでしょう。
標高差自体は約29mとそれほど大きくありませんが、湖畔沿いの道はカーブが多く、微妙なアップダウンが連続する区間もあります。ペース配分を一定に保つよりも、体感的な負荷を意識しながら上りではやや抑えめに、下りでは自然に任せて走るなど、緩急をつけた走り方が疲労軽減につながります。
山間部特有の気候にも注意が必要です。夏場は都市部より涼しいとはいえ、直射日光が当たる区間では汗をかきやすいため、こまめな水分補給を心がけましょう。コース上には自動販売機や休憩できる場所も点在していますが、区間によっては商店が少ない箇所もあるため、事前に給水ポイントを把握しておくか、飲み物を携行するのが安心です。冬場は朝晩の気温が下がりやすく、路面が凍結することもあるため、防寒対策と足元の安全確認を怠らないようにしてください。
走るタイミングとしては紅葉シーズンの11月中旬から下旬が特におすすめです。ただしこの時期は観光客や自動車の交通量も増えるため、路肩を走る際は車の往来に十分注意しましょう。反対に新緑がまぶしい春先や、空気が澄んで富士山がくっきり見える冬の晴れた日なども、それぞれ違った魅力を味わえます。湖畔の道路は生活道路や観光道路としても利用されているため、車道の端に寄りすぎず、かといって車の通行を妨げないよう周囲の状況に気を配りながら走ることが大切です。反射材やライトを身につけて視認性を高めることも、安全にコースを楽しむための基本です。
都市近郊の湖畔コースの中で自然の濃さと15.8kmの距離が際立つ
首都圏には湖を一周できるジョギングコースがいくつか存在しますが、丹沢湖はその中でも自然の濃さという点で際立った存在です。都市部に近い湖の周回コースの多くは周辺に住宅地や商業施設が隣接しているため、走りながらも生活音や交通量の多さを感じる場面が少なくありません。丹沢湖は丹沢山塊の山々に囲まれた谷あいに位置しているため、走行中に耳に入るのは川のせせらぎや鳥の声、風が木々を揺らす音といった自然の音がほとんどです。
15.8kmという距離は、5km前後の手軽な周回コースとは一線を画し、ある程度まとまった距離を走りたい経験者にとって満足度の高い設定になっています。標高差が少なく走りやすい舗装路でありながら、都市部では味わえないスケールの景観に恵まれている点は丹沢湖ならではの強みです。日帰りでも十分に楽しめる距離感でありながら、キャンプや温泉、登山といった宿泊を伴う楽しみ方まで広げられる懐の深さも、他の湖畔コースにはない魅力といえるでしょう。
丹沢湖キャンプサイトや丹沢湖ロッヂで一泊すれば自然をより満喫できる
丹沢湖周回コースを走った後、そのまま一泊して自然の中でゆっくり過ごしたい人には、周辺のキャンプ場や宿泊施設も充実しています。丹沢湖キャンプサイトは河内川渓谷沿いに位置し、丹沢森林館の隣に立地しているため、自然観察と合わせて楽しめるのが特徴です。バンガロー宿泊にも対応しており、テント泊に抵抗がある人でも気軽に利用できます。
河内川ふれあいビレッジは河内川沿いに広がるオートキャンプ場で、豊かな自然に囲まれながらオートキャンプやスポーツ、農園体験まで楽しめる複合型のレジャー施設です。車で乗り付けられる利便性の高さから、ファミリー層にも人気があります。
丹沢湖ロッヂは富士山と丹沢湖を一望できる立地にありながら、都心から約90分というアクセスの良さも魅力です。炊事スペースが充実しており、雨天時でも野外炊事が可能なほか、マスのつかみ取りや流しそうめん体験も用意されているため、走ることだけが目的でなく家族や仲間との時間を楽しみたい人にもおすすめです。ジョギングの疲れを癒やしながら一泊し、翌朝もう一度コースを走ってみるという過ごし方も可能になります。
カヌー・SUPマラソンは2026年7月5日に開催、丹沢湖花火大会は2024年で終了
丹沢湖では長年、丹沢湖花火大会が夏の風物詩として親しまれてきましたが、2024年に開催された第40回大会をもって終了となり、2025年以降は開催されていません。花火大会目当てで訪れることを検討していた人は、この点に注意してください。
一方で新たな夏のイベントとして定着しつつあるのがカヌー・SUPマラソンです。丹沢湖の穏やかな水面を活かした水上競技で、2026年7月5日には第26回大会が開催されました。ジョギングだけでなく、カヌーやSUPといった水上スポーツを組み合わせて丹沢湖の自然を満喫するのも一つの楽しみ方です。
そして忘れてはならないのが秋の丹沢湖マラソン大会です。1979年から続く伝統ある大会で、2026年には第48回大会が11月29日に開催される予定となっています。紅葉と重なるこの時期は、丹沢湖が一年で最も賑わいを見せる季節でもあります。
三保ダムのダムカードは丹沢湖記念館で配布されている
丹沢湖を生み出した三保ダムは、コースを走るランナーにとって象徴的な存在であると同時に、ダム見学スポットとしても知られています。ダム施設に関心のある人にはダムカードの配布も行われており、全国のダムファンから注目を集めています。丹沢湖記念館でも配布が行われている実績があるため、興味のある人は事前に配布時間や条件を確認したうえで立ち寄ってみるとよいでしょう。ダムカードは配布側の都合により対応できない時間帯もあるため、遠方から目当てに訪れる場合は事前の問い合わせが確実です。
三保ダムの堤体からは丹沢湖の全景を見渡すことができ、ジョギングの合間の休憩ポイントとしても人気があります。ダムという人工構造物と、その先に広がる自然豊かな湖面との対比は、丹沢湖ならではの独特な景観を生み出しています。
西丹沢ビジターセンターを起点に檜洞丸への登山も楽しめる
丹沢湖周回コースの周辺には、西丹沢エリアの登山口として機能する西丹沢ビジターセンターがあります。檜洞丸や畦ヶ丸、蛭ヶ岳といった西丹沢の主要な山々への登山口情報や、季節ごとの開花状況、自然情報などを提供しており、登山者の拠点になっています。開館時間は8時30分から16時30分まで、12月から3月は16時00分までとなっており、月曜日、祝日の場合は翌平日と年末年始は休館となる点は事前に確認しておきましょう。
檜洞丸は西丹沢を代表するピークの一つで、山頂付近には貴重なブナの原生林が残り、春にはシロヤシオが登山道を白く彩ることで知られています。晴れた日には富士山から南アルプスまで見渡せる大展望も魅力です。丹沢湖周回コースをジョギングで楽しんだ翌日に、体力に余裕があれば西丹沢ビジターセンターを起点に登山にも挑戦してみるという二日がかりのプランも検討する価値があります。ランニングと登山という異なるアクティビティを同じエリアで楽しめるのは丹沢湖ならではの体験です。
補給ポイントが少ないため水分と防寒着の準備が安心につながる
丹沢湖周回コースは、都市部のランニングコースと比べて自動販売機やコンビニといった補給ポイントが限られています。走る前には十分な水分と、必要に応じてエネルギー補給用のジェルや軽食を携行しておくことをおすすめします。気温が上がる時期は想像以上に発汗量が多くなるため、余裕を持った水分量を用意しておくと安心です。
服装については、標高がそれほど高くないとはいえ山間部特有の寒暖差があるため、レイヤリングを意識した服装選びが有効です。朝晩は冷え込む一方で、日中に日差しが出ると汗ばむこともあるため、脱ぎ着しやすいウィンドブレーカーやアームカバーなどを用意しておくと体温調整がしやすくなります。湖畔沿いの道は木陰が少ない区間もあるため、帽子やサングラス、日焼け止めといった紫外線対策も欠かせません。
足元に関しては、舗装路が中心とはいえ部分的に路肩が荒れていたり、落ち葉や小石が溜まっていたりする箇所もあります。クッション性のあるランニングシューズを選び、足首をしっかりサポートしてくれるタイプを選ぶと、長距離を走る際の負担を軽減できます。スマートフォンやモバイルバッテリー、簡単な地図アプリの準備もしておくと、初めて訪れる場合でも安心してコースを楽しめるでしょう。
ヤマセミやカワセミが生息する自然観察コースでもある
丹沢湖周回コースの魅力は、走ること自体の楽しさだけにとどまりません。丹沢湖は関東を代表する野鳥観察地の一つで、渓流の宝石とも呼ばれるヤマセミが見られることでも知られています。ヤマセミは水質のきれいな清流や湖沼を好む野鳥で、丹沢湖周辺の豊かな渓流環境はその生息条件を満たす貴重なフィールドです。夏の繁殖期には親鳥が幼鳥に餌を与える様子が見られることもあり、早朝や夕方の時間帯に活動が活発になる傾向があります。
丹沢湖周辺にはヤマセミだけでなく、カワセミをはじめとする多様な野鳥が生息していることが、地元のビジターセンターの記録からも確認できます。ジョギング中にふと川面に目をやると、鮮やかな色の野鳥が水面すれすれを飛び去っていく瞬間に出会えるかもしれません。野鳥観察を楽しむ際には、大きな物音を立てずに一定の距離を保つなど、自然環境への配慮を忘れないことが大切です。走ることに集中しつつも、ふとした瞬間に野鳥や川の気配を感じられるところに、都市部のジョギングコースにはない丹沢湖ならではの醍醐味があります。
15.8kmはハーフマラソンにやや届かないロング走の距離設定として使える
丹沢湖周回コースは、フルマラソンやハーフマラソンを目指すランナーにとって、ロング走の舞台にもなります。ロング走はトレーニング全体の中でも重要な位置を占め、レースペースよりもやや遅めの強度で行うことで、ランニングエコノミーの向上や脂質をエネルギーとして使う能力の向上、筋持久力の強化といった効果が期待できるとされています。15.8kmという距離はハーフマラソンにやや届かない程度のボリュームがあり、月に数回のロング走メニューとして組み込むにはちょうど良い設定です。
平坦なコースでのロング走に飽きてきたランナーにとって、丹沢湖のような多少の起伏を含む周回コースは脚への刺激という点でも良いアクセントになります。上り区間で自然に負荷がかかり、下り区間では着地の衝撃をコントロールする感覚を養えるため、平坦コースだけでは鍛えにくい筋肉の使い方を身につけられるのもメリットです。都心近郊にありながらこうした変化のあるロングコースを走れる環境は貴重で、レース前の実戦的な仕上げトレーニングとしても活用しやすいでしょう。景色を楽しみながら気持ちよく距離を重ねられるという点でも、モチベーションを維持しやすいコースだといえます。
季節ごとに違う表情を見せる丹沢湖は何度でも訪れたくなるコース
神奈川県山北町の丹沢湖の周回ジョギングコースは、総距離15.8km、標高差約29mというスペックを持つ、自然豊かな中級者向けのランニングコースです。かながわの景勝50選やダム湖百選に選ばれた美しい湖畔の景色、そして条件が良ければ富士山まで望める眺望は、都心近郊とは思えないほどのスケールを持っています。春の新緑、夏の涼しげな水面、秋の紅葉、冬の澄んだ空気と、四季それぞれに異なる魅力を楽しめる点も大きな特徴です。
1979年から続く丹沢湖マラソン大会の舞台としても知られ、例年11月には多くのランナーで賑わいます。新松田駅からのバス、または車でのアクセスが可能で、周辺には道の駅山北をはじめ、レトロな喫茶店やテラスカフェ、焼肉店、そば処、そして中川温泉やぶなの湯といった日帰り温泉施設まで揃っており、ジョギングと合わせて一日たっぷり楽しめるエリアです。
普段のランニングコースに変化が欲しい人、自然の中で気持ちよく汗を流したい人、そして富士山や紅葉といった景色を求めるランナーにとって、丹沢湖の周回ジョギングコースは一度は訪れておきたいスポットです。コース上には世附大橋や永歳橋、千代の沢園地展望台といった景観スポットが点在し、周辺にはキャンプ場や日帰り温泉、道の駅やカフェといった立ち寄りスポットも充実しています。走ることを主目的にしても、登山やキャンプ、野鳥観察と組み合わせても、それぞれのスタイルで楽しめる懐の深さが丹沢湖にはあります。季節を変えて何度も走ることで、その都度新しい発見や景色に出会えるはずです。








